不動産はバブっているのか 銀座で路線価過去最高値! 「平成バブル」と … – BLOGOS

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 東京の銀座5丁目鳩居堂前の路線価が今年1月1日現在で1平方メートルあたり4032万円をつけた。この価格は平成バブルといわれた1992年(平成4年)3650万円の水準を大きく上回ったことから、巷では「バブル再燃」の声が高くなっている。


平成バブル時を大きく上回る路線価を記録した銀座5丁目鳩居堂前 ©iStock.com

 路線価はあくまでも相続税や贈与税を計算する際の評価額であるので時価に比べると低く算出されているのが実態だ。実際は仮に鳩居堂前の土地が売りに出されれば、この価格の2割以上高い価格が付くことが容易に想像される。

銀座は再開発花盛り! しかし路線価最高値の原因は……

 松坂屋跡地の再開発でできた「GINZA SIX」や銀座ライオンの跡地に開発された「GINZA PLACE」などの商業施設が盛況、銀座6丁目並木通りの朝日新聞社の再開発ではハイアットホテルグループの最新ブランド「ハイアット・セントリック」が2018年にオープン、また銀座2丁目には森トラストが2020年オープンを目指してマリオットホテルの最高級ブランド「EDITION(エディション)」を誘致するなど銀座界隈は不動産開発の話題に事欠かない。だから路線価が上昇しているとみるのだろうが事情はちょっと異なる。

 平成バブル時代には実は、銀座では大きな開発計画はほとんど存在しなかった。しかし、当時はプラザ合意に端を発した金融緩和を背景に、金融機関は企業に湯水のごとく資金を貸し付け、多くの企業が不動産投資に血道を上げる時代だった。

 当時の不動産投資にはたいした理屈はなく、銀行が金を貸してくれるので、不動産に突っ込む、そうすれば不動産価格は右肩上がりに上昇するので、売却すればものすごいキャピタルゲイン(売買益)が得られる。つまりはいち早く銀行から資金を調達し、怒涛のマーケットに勢いと度胸をもって参戦する企業が、本業ではない投資で勝ち続けるという異常な時代だった。

「平成バブル」との決定的な違いとは

 さて現代はどうだろうか。たしかに大手を中心に企業業績は悪くないようだ。ただし、これは各社が本業で堅調な業績を上げているだけで、平成バブル時代のように不動産投資に躍起になっている姿は少なくとも、これを本業としているデベロッパーを除けばあまり見当たらない。バブルに踊って毎晩銀座や六本木で遊び狂う人の数が増えたという話も耳にしない。

 平成バブル時代と現代の不動産価格上昇の違いは、不動産が「投資マネー」という金融と深く結びついていることだ。そしてこの投資マネーは国内のみならず、とりわけ海外からのマネーが日本の不動産を動かしているという事実だ。

移り気で逃げ足の速い海外の投資マネー

 都市未来総合研究所の調査によれば、2017年度上期(4月から9月)における外資系法人による日本の不動産への投資額は6572億円に達し、前年同期比でなんと3.3倍にもなっているという。いっぽうで、国内での投資マネーの中心である不動産投資信託(J-REIT)への投資額は今年になって大幅に縮小しているのが現実だ。

 実は昨年はこうした動きとは真逆で、外資系法人が「買い」に入らず、「売り」にまわり、これを国内勢が買うという構図にあった。この2年間でこれほどまでに投資家の動きが変わるという姿は、少なくとも不動産投資のプロでなければなかなかわからないというのが正直なところではないだろうか。

 投資マネーはそれほどまでに「移り気」なのである。特に海外マネーは常に地球全体を睥睨して「相対的」に投資妙味のある国や地域にカネを突っ込むのが習性だ。つまり今年は日本の低金利が続き、しかも円安状態が続いている。政治も治安も安定しているというのが彼らが投資する主な理由であり、別に日本のオフィスマーケットや住宅マーケットの将来性や設備投資過剰などを気にしているわけではないのだ。「ちょっと投資利回りが低くなりすぎてだめなんじゃね?」と考えるJ-REITなどとは違った発想をするのだ。

投資家が「演出」するバブルに騙されるな

 彼らは投資をあくまでも「数字」でみる。それでみると日本の不動産利回りは、日本でもっとも安全とみなされる日本国債のレートとの差(これをイールドスプレッドと呼ぶ)が欧米やアジアの諸都市に比べ相対的に大きい、つまり余力があるという理由だけで投資してくる。ちなみにこの国債レートとの差をリスクプレミアムともいう。リスクプレミアムが大きいということは、それだけ投資が「安全」ということを意味するのだ。

 今でも思い出す。私がJ-REITの代表をしていたころのことだ。私のREITに投資しているロンドンの投資家に、取得した商業施設の内容を説明しているとき、彼は細かな数値については厳しい質問をぶつけてきた。しかし、その施設は大阪にあったのだが、大阪のマーケットについて説明しようとする私を制して「ああ、場所はどうでもよい。良い買い物じゃないか」と言い放った。あのマネジャーのセリフが蘇ってくる。

 投資マネーは「移り気」だ。彼らは日本に根を下ろそうなどと1ミリも思ってはいない。と同時に逃げ足も速いのだ。彼らが買っているからといって、調子に乗ってはいけない。いそいそとマーケットに出てきた我々に売りつけて逃げるのはいつも彼らなのだ。投資家が「演出」するバブルに騙されないことだ。

(牧野 知弘)





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