[光の教会]を実寸で再現!注目の「安藤忠雄展」レポ

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国立新美術館で「安藤忠雄展―挑戦―」が開催!

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撮影:荒木経惟 Photo:Nobuyoshi Araki

現在、東京・六本木の国立新美術館で[安藤忠雄展―挑戦―]が開催中です。

独学で建築を学ぶ―という異色の経歴で知られる建築家 安藤忠雄は、1969年より大阪に自らの事務所を立ち上げ、これまでにコンクリート打ち放しによる斬新な建築作品を中心に次々と斬新な建築を世に送り出してきました。

1990年代以降はその活躍の舞台を世界に広げ、アジア・ヨーロッパ・アメリカなど各国で作品を実現させ、1995年には建築界のノーベル賞と称される「プリツカー賞」を受賞し、名実共に日本を代表する世界的な建築家となりました。その一方で、建築という枠組みを超えた環境再生や震災復興といった社会活動にも果敢な取り組みを見せています。

本展では、建築家 安藤忠雄の壮大な挑戦の軌跡と未来への展望を、6つのセクションに分けて紹介しています。また、会場のデザインも自ら手掛け、模型、スケッチ、ドローイング、映像などの総計270点余りの設計資料を駆使した充実の展示となっています。 本展の開催期間は約3ヶ月。ぜひこの機会に安藤忠雄の建築の魅力に触れて下さい。

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会場内でギャラリートークをする安藤忠雄。多くの来場者を前に数々のエピソードを交えながらユーモアたっぷりに自作を語る。

国立新美術館10周年 安藤忠雄展―挑戦―

会期:2017年9月27日(水)~ 12月18日(月)
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00-18:00 金曜日・土曜日は20:00まで
※ 入場は閉館の30分前まで
※ 11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)
会場:国立新美術館 企画展示室1E+野外展示場
http://www.nact.jp
東京都港区六本木7-22-2 Tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
主催:国立新美術館 TBS 朝日新聞社
共催:安藤忠雄建築展実行委員会
後援:(一社)東京建築士会 TBSラジオ

6つのセクションで展開される安藤忠雄の多様な建築世界

本展では、安藤忠雄が、いかに生きて、いかに創り、今またどこに向かおうとしているのか―その挑戦の軌跡と未来への展望を「原点/住まい」「光」「余白の空間」「場所を読む」「あるものを生かしてないものをつくる」「育てる」という6つのセクションに分けて紹介。そのセクションごとの見どころをレポートしましょう。

プロローグ:建築家 安藤忠雄

安藤忠雄のすぐれた感性と行動力はいかにして育まれたのか。そのエネルギーの源は何なのかを、安藤忠雄が建築家となる以前に世界放浪をした際の旅のスケッチや、数回の増改築を経たアトリエの変遷などにより解き明かしています。

また、会場では現在のアトリエの一部が原寸大で再現されています。なかでも検討用の模型や書籍や使い慣れた文房具埋め尽くされた安藤のデスクは、つい先ほどまで安藤が執務していたかのような臨場感に溢れた展示になっています。

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「1965年~68年の世界旅行」と「1967年のアメリカ横断旅行」のパネル展示。 世界旅行では33都市、アメリカ横断旅行では6都市を訪れている。手前には旅先で描かれた当時のスケッチが置かれている。

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会場内で最も大きな展示のひとつである[大淀のアトリエ II]の室内再現。実物の建築書籍が納められている本棚の背後には、安藤の執務する大テーブルが控えている。

セクション1:原点/住まい

安藤忠雄にとって、「住まう」という最も根源的な営みを受け止める住宅こそが建築の原点です。打ち放しコンクリート、単純な幾何学的造形、自然との共生という、全ての安藤建築の原型は住宅作品によって完成しました。

ここでは初期の代表作[住吉の長屋]から近年の海外に建設した圧倒的スケールの豪邸まで、100を超える住宅作品を数多くの模型とパネルと映像で一挙公開しています。

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大きな柱が等間隔で並ぶ「原点/住まい」の展示エリア。

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上 1979年に日本建築学会賞を受賞した安藤住宅の代名詞[住吉の長屋]のコンクリート模型。

下 1983年から2009年の4期に渡って計画された[六甲の集合住宅]の模型。

セクション2:光

極限までそぎ落とされたようなシンプルな造形に、光や風といった自然の息吹吹き込むことにより、安藤忠雄の目指す空間が生まれます。その意図がもっとも端的に分かるのが一連の教会建築です。

ここでは、[風の教会]や[水の教会]などの代表作を紹介しています。中でも今回の展示の目玉となるのが、野外展示場にプレキャスト・コンクリートにより実寸再現された[光の教会]のインスタレーションです。ここでは安藤が建設の際に果たせなかった「ガラスの無い十字のスリット」が実現されています。

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上 屋外展示場に実寸大で再現された[光の教会]の迫力のインスタレーション。

下 内部はコンクリートの壁や足場板で造られた床とベンチが忠実に再現されている。

セクション3:余白の空間

安藤は意図的に「余白」の空間をつくりだし人の集まる場を生み出してきました。

ここではその挑戦のプロセスを、初期の小規模な商業建築から[表参道ヒルズ][東急東横線 渋谷駅][上海保利大劇院]といった2000年以降の作品により俯瞰的に紹介しています。

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上 表参道の欅通りの風景に配慮した[表参道ヒルズ]。地下を深く掘ることで地上の高さを抑えた。

下 巨大なキューブに3つの円筒によって風穴を穿った中国・上海のオペラハウス[上海保利大劇院]。

セクション4:場所を読む

広い会場の中心に佇む巨大な楕円のブースは、建築30年余りに及ぶ[直島プロジェクト]の空間インスタレーションです。

1980年代末から大自然に包まれた中での安藤建築が生まれています。ここでは周辺環境と一体化して、その場所の個性を際立たせる「環境一体型建築」を表現しています。

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上[直島プロジェクト]のブースの内部はLEDの照明で朝から夜までの景色の変化が再現される。

下 内部には「ベネッセアートサイト直島」の環境模型と映像で[直島プロジェクト]が表現されている。1992年の[ベネッセハウス ミュージアム]から2013年の[ANDO MUSEUM]までの7作品が点在している。

セクション5:あるものを生かしてないものをつくる

「歴史の刻まれた建物の再生」は、安藤にとって常に挑戦心をかき立てられるテーマでした。

ここでは、古い建物の保存・再生に関わる仕事を、初期の未完に終わった[中之島プロジェクト]から、国内で実現した作品や、歴史都市ヴェニスでの「プンタ・デラ・ドガーナ」を中心とする一連の作品、さらにパリ中心部で現在進行中の最新プロジェクトに至るまでを、迫力の大型模型によって一挙公開しています。

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会場の大壁面に横たわる[中之島プロジェクト]の10mに渡る平面図と断面図のドローイング。

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上 ヴェニスの旧税関を現代美術館にリノベーションした[プンタ・デラ・ドガーナ]の模型。

下 パリの凱旋門とエッフェル塔の間に位置する歴史的建造物[ブルス・ドゥ・コルメス]のリノベーションプロジェクトの大型模型。

セクション6:育てる

ここでは建築という枠組みを超えた安藤忠雄の社会活動への旺盛な取り組みに焦点を当てています。「建築づくり=環境づくり」と考える安藤忠雄の思想を模型とドキュメンタリー映像(約6分)によって紹介しています。

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岡山市で2006年から進行中の学校建築[IPU環太平洋大学]。 現在まで4棟のうち既に3棟が完成している。

「安藤忠雄展」オリジナルグッズも見逃せません!

セクション6を出ると本展のオリジナルグッズを揃えたショップが待っています。

ショップの中心には、「ANDO」の文字が白く抜かれた真っ赤な表紙の本展の図録が、文字通り山積みでディスプレイされています。本展の6つのセクション・テーマに対応して構成された全320ページにわたる特別編集版で、破格の1,980円という、お求めやすい価格になっています。

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「安藤忠雄展ー挑戦ー」展覧会図録

著者:安藤忠雄、浅田彰、鈴木博之 体裁:B5版変形ハードカバー、

和英併記、カラー、320ページ 編集:安藤忠雄建築展実行委員会

他にも安藤の建築やスケッチをモチーフにした、Tシャツ(数量限定)、トートバッグ、A4クリアファイル、マスキングテープ、ポストカード、安藤忠雄サイン入りポストカード(数量限定)など、盛りだくさんの品揃えです。

関連企画[安藤忠雄 21_21の現場 悪戦苦闘]

本展の関連企画として、東京・六本木の東京ミッドタウンに安藤忠雄が設計した「21_21 DESIGN SIGHT」の建築の過程に焦点を当てた展覧会が開催されます。 会場は創立者の三宅一生の服づくりの根底にある「一枚の布」に着想を得た「一枚の鉄板」を折り曲げたようなユニークな屋根をもつ建物です。

館内では建築の初期のアイデアや安藤忠雄直筆のスケッチ、建築現場の写真や映像によって、安藤建築の魅力を体験できます。

会期:10月7日(土)~10月28日(土)

開館時間:10:00-19:00 休館日:火曜日

会場:21_21DESIGN SIGHT ギャラリー3





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