築25年以上のマンション、交流イベントがあるほうが建て替えに積極的? – ニコニコニュース

Home » 分譲 » 築25年以上のマンション、交流イベントがあるほうが建て替えに積極的? – ニコニコニュース
分譲 コメントはまだありません



写真/PIXTA
SUUMOジャーナル

長谷工総合研究所は「超高齢社会における分譲マンション(その3)」として、築25年以上マンションの居住者意識の調査を行った。30代・40代と60代・70代とでは維持管理や役員就任意向などにギャップが見られるほか、交流イベントの有無でも違いが見られたという。紹介したリリースに加え、より詳細なレポートが掲載されている「CRI」2017年10月号の情報を基に、詳しく見ていこう。【今週の住活トピック】
「超高齢社会における分譲マンション(その3)~築25年以上マンションの居住者意識の調査~」を発表/長谷工総合研究所役員就任に世代間ギャップあり。若年層ほど役員にはなりたくない!?

築25年以上など築年数が経過した分譲マンションでは、「2つの老い」が進行すると言われている。建物の老朽化と区分所有者の高齢化だ。管理組合を構成する区分所有者の高齢化が進むと、実質的に管理組合を運営する理事会の役員の高齢化や担い手不足といった問題も生じるようになる。

そこで長谷工総合研究所では、築25年以上のマンションの区分所有者の年代による意識の違いや若年層の関心を高める要因などを調査した。まず、世代間意識の違いについて見てみよう。

役員への就任意向(「役員になってもよい」+「求められれば役員になってもよい」)を見ると、30代で27.5%、40代で28.4%、50代で33.7%、60代で39.9%、70代で40.9%と、年代が高くなるほど就任意向が高くなる。筆者のマンションでは、役員は輪番制なので10年に一度順番が回ってくるが、立候補制であれば役員の高齢化や固定化が進むことを示唆する結果だ。

また、老朽化したマンションの場合、長寿命化や建て替えが大きな課題となるが、この調査では次の3つの計画を提示して、その意向を調べている。
(1)建て替えの計画(建て替え計画)
(2)費用をかけて安全性・快適性のグレードアップを行いながら長期的に建物を維持していく計画(グレードアップ計画)
(3)なるべく費用をかけずに必要最低限の修繕を行いながら長期的に建物を維持していく計画(必要最低限計画)

(1)の建て替え計画に積極的な回答(「賛成する」+「前向きに考える」)を見ると、30代で44.5%、40代で39.8%、50代で36.3%、60代で41.5%、70代で36.3%と、60代で4割を超えているものの30代・40代など若年層で高い傾向が見られる。
逆に(2)のグレードアップ計画に積極的な回答を見ると、30代で46.5%、40代で46.3%、50代で47.0%、60代で56.4%、70代で57.8%と、30代~50代と比べて60代・70代で高い傾向が見られる。
また、(3)の必要最低限計画に積極的な回答を見ると、30代で59.0%、40代で61.2%、50代で64.1%、60代で60.7%、70代で72.1%と、全年代で高いものの特に70代で7割を超えるほど顕著になっている。

できるだけ費用をかけずに長寿命化したいというのは、どの年代でも思うことのようだが、費用のかかる建て替えについては年代によって考え方に違いがあるようだ。

コミュニティ形成に資すると言われる交流イベントは、どういった影響がある?

最近では、夏祭りやクリスマス会、懇親会など交流イベントを開催するマンションも増えつつある。交流イベントは、マンションのコミュニティ形成に寄与すると言われており、一般的に交流イベントがあるマンションほど管理組合への活動に関心が高いと想定される。

この調査では、交流イベント(年に1回以上)の有無と管理への意識の関連性についても調べている。その結果、交流イベントの有無と維持管理への関心では関連性が見られず、役員への就任意向ではむしろ、交流イベントがあるほうが消極的という結果になった(画像1)。

一方、合意形成が難しいと言われている「(1)建て替え計画」については、交流イベントがあるほうが積極的な回答が多くなった(画像2)。(2)グレードアップ計画(3)必要最低限計画でも、交流イベントがあるほうが積極的な回答が多いという。

【画像1】交流イベントの有無と管理組合役員の就任意向(出典/長谷工総合研究所「超高齢社会における分譲マンション(その3)~築25年以上マンションの居住者意識の調査~」)

【画像2】交流イベントの有無と建て替え計画への意向(出典/長谷工総合研究所「超高齢社会における分譲マンション(その3)~築25年以上マンションの居住者意識の調査~」)

同研究所では「交流イベントが行われているようなマンションには、コミュニティや管理全般に意欲的な人材が既におり、適正な建物管理やコミュニティ活動が行われている一方、活動の負担が一定程度あることで、担い手となることに消極的な居住者が多くなっている状況などが考えられる」と分析している。

役員の担い手不足については、政府も管理規約のひな型となる「マンション標準管理規約」を改訂し、区分所有者でない者(配偶者など)や外部の専門家などに道を開く改正を行っている。それぞれのマンションの事情に応じて管理規約を改正することで、若年層など仕事が忙しくて時間が取れない場合は、例えば配偶者をあらかじめ代理出席者として定めておくなどの方法が取れるし、区分所有者の高齢化が進んで理事会が成り立たない場合は、マンション管理士などの専門家が理事会の監督下で理事の役割を担うこともできることになった。

リリースには紹介されてないが、「CRI」10月号に興味深い調査結果が見られる。マンションの高齢化対策として例示したもののなかで、「管理組合役員に若年層を増やす」では60代・70代で強く必要性を感じているが、30代~50代が必要性を感じている「管理組合活動の効率化・省力化」では60代・70代であまり高くないというものだ。

つまりは、管理組合の活動内容を従来どおりとせず、効率よくできるように見直すといった努力によっても、幅広い層が管理組合の活動に関心をもつ可能性があるということだ。
それぞれのマンションのルールや活動の経緯などによっても、取るべき対応は変わるだろうが、居住者の声をよく聞いて、小さなことから大きなことまで見直していくことを積み重ねるしか、解決策はないのだろう。

(山本 久美子)





コメントを残す