万達、市場からの調達拡大 銀行の融資制限でグループ再編 :日本経済 … – 日本経済新聞

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 【大連=原島大介】中国当局の資本規制が中国企業に影響している。当局から事実上の融資制限を受けている、中国不動産大手、大連万達集団(ワンダ・グループ)はグループ企業の再編に乗り出した。上場子会社に別の優良企業2社を譲渡して企業価値を高め、株式市場からの資金調達を増やす狙い。当局が資金流出を防ぐため一部企業を標的に海外買収などを規制するなか、戦略転換を迫られた格好だ。

 万達集団傘下で、香港上場のホテルなど資産管理子会社、万達酒店発展は9日夜、中国や欧米などに抱えるホテルなどの開発プロジェクトを、不動産子会社の大連万達商業地産に譲渡すると発表した。同時に、別のグループ企業傘下にあるホテル、テーマパークの設計や管理を手掛ける企業2社をそれぞれ買収する。買収総額は計70億5千万元(約1160億円)。

 万達酒店発展は海外資産を持たず、ホテル、テーマパーク運営だけを手掛ける企業に衣替えする。発表を市場は好感。万達酒店発展の10日の株価は一時、前日終値比で40%上昇した。

 今回のグループ再編の背景にあるのは、中国当局による締めつけだ。大連万達集団は不動産売買で急成長した後、ホテル経営などに事業を転換。欧米の映画やスポーツ関連企業などの海外M&A(合併・買収)も積極展開し、買収総額は200億ドル(約2兆2千億円)を超えた。だが、買収資金の多くを銀行融資に頼っていたため、有利子負債が2千億元に膨れあがっていた。

 これを当局は問題視した。海外への資金流出に加え、膨張した債務が焦げ付くことで中国経済に影響が波及する懸念から、銀行に対し、万達の信用リスクを調査するよう指示。この結果、万達は銀行から融資制限を受けるなど資金調達先が急速に細り、経営不安の恐れもささやかれていた。

 こうした当局の圧力に対して、万達は対応に追われている。7月には、ホテルやテーマパークなどの資産を637億元で売却することを決断。売却資金をすべて借入金の返済に充てて、経営環境の改善を狙った。

 今回の再編発表も対応策の一環とみられる。万達酒店発展が買収したグループ2社は「グループ内でも利益率が高い優良子会社」(万達関係者)。上場子会社の魅力を高めることで株価を高め、株式市場からの資金調達の拡大を狙う。他の子会社の上場も検討しており、銀行借り入れに依存する体質からの脱却を目指す考えだ。

 中国当局は万達に加え、海外で積極的な買収を進めてきた安邦保険集団、復星集団、海航集団、浙江羅森内里についても信用リスク調査を銀行に指示している。万達の創業者である王健林董事長をはじめ、対象となった5企業の創業者はいずれも共産党幹部の子弟との人脈が取り沙汰される。締め付けは金融安定を狙った資本規制の一環であるだけでなく、今秋の共産党大会での最高指導部人事を巡る闘争のあおりとの見方もある。





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