あなたは知ってる? 住居表示の決まりかた

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新築物件の広告やパンフレット、重要事項説明書、売買契約書などには、敷地の地番だけが記載されていたり、住居表示は「○丁目○番(以下未定)」などとしか書かれていなかったりすることも多いのですが……。


question

新築の一戸建てを購入して、来年の1月末に完成、2月に引渡し予定となっています。親しい友人たちへの年賀状に、引越し後の住所を書いて知らせておこうと思い、売主の会社に新しい住所を教えてくれるように頼んだのですが、「まだ決まっていないから教えられない」という返事しかもらえません。敷地は動かないのだから、住所は先に分かるのではないのでしょうか?
(東京都世田谷区 匿名 20代 女性)


answer

ご質問のなかにある「住所」というのは「住居表示による住所」のことでしょうが、住所を表すときには「地番を用いる方法」と「住居表示を用いる方法」があるため、この2つを区別しないと分かりづらいでしょう。

「地番」とはそれぞれの土地に付けられた固有の番号で、これを住所に用いるときには「一丁目2番地3」のように表します。一方、都市部などで用いられる住居表示では「一丁目2番3号」のように「号」が使われます。

住居表示プレート

隣の家が27番5号だからといって、その隣が6号だとはかぎらない

地番で住所を表記する区域であれば事前にその番号は分かるのですが、住居表示で住所を表記する区域では、建物ができてから「その建物に対して」住居表示の番号が決められます。

そして、住居表示の番号を決めるのはそれぞれの区市町村の担当課であり、区市町村によって取り扱いが若干異なりますが、決定時期は早くても建物が完成する2~3週間前のことが多いようです。

そのため、ご質問のように1月末の完成予定であれば、住居表示が正式に決まるのは年が明けてからになるでしょう。

もちろん区市町村が行きあたりばったりに住居表示を決めるわけではなく、ある一定の方法がありますから、売主業者や媒介業者の担当者でも「おそらくこの住居表示になるだろう」という予測はできます。

しかし、確定していない住居表示を教えて、万一にも区市町村が決定したものと違っていたら大変ですから、お客様から聞かれたときに答えるのを躊躇してしまうことは仕方ありません。

また、建物の位置によっては、たとえば「12番3号になるのか12番4号になるのか、区市町村による調査、決定を待たなければ分からない」というようなケースもあるのです。

それでは、住居表示の決まりかたを簡単にみていくことにしましょう。

住居表示は街区方式が主流

住居表示は「住居表示に関する法律」(昭和37年公布・施行)にもとづき実施されているものですが、具体的な方法や実施時期はそれぞれの区市町村に委ねられています。

そのため、すでに住居表示を取り入れている区市町村だけでなく、これから取り入れる予定のところもあれば、まったくその予定がないところもあるでしょう。また、同じ区市町村のなかで住居表示の実施区域と未実施区域が混在しているケースも数多くみられます。

「住居表示に関する法律」では「街区方式」と「道路方式」の2つが規定されていますが、「道路方式」を採用しているところは極めて少なく、ほとんどが「街区方式」のようです。ここでは「街区方式」による住居表示の決まりかたについて説明していくことにしましょう。

なお、「街区方式」の場合には「街区方式による住居表示の実施基準」(昭和38年7月30日自治省告示第117号)をもとにして、それぞれの区市町村でその実施要綱などを定めています。

隣り合う街区が続き番号に

まず、住居表示の「○番」に相当するものが「街区符号」です。一定のまとまりをもった町丁目(××町、または××町○丁目)の区域を、道路(たいていは公道)や線路、河川、水路、恒久的な施設などで区切り、一定の手順により「街区符号」をつけます。

このとき、クイズ番組のパネルのように1つの方向に沿って数字が並ぶことはなく、隣り合った街区で数字がつながるように定めることが一般的です。

街区符号

しかし、実際の街区は等間隔に整然と並んでいるわけではなく、大きさや形状もまちまちでしょう。もし下図のような町があったとすれば、蛇行しながら「街区符号」の数字が順に付けられていくことになります。

街区符号

これにより、たとえば7番の街区を探しているときに道に迷って6番まで辿り着いた場合、6番の周りをぐるっと歩けば7番がみつかることになります。現実にはもっと複雑に入り組んだ街区も多いでしょうが……。

しかし、この「街区符号」(番)はあらかじめ決まっているものであり、建物を新築したときすぐに分からないのは「号」のほうです。それでは、住居表示の「号」の決まりかたをみていくことにしましょう。

号は一定間隔で決められる

それぞれの街区では、ある一定の角を起点として右回り(時計回り)に一定間隔で番号(基礎番号)が付けられます。この間隔は区市町村ごと(ときには区市町村内の区域ごと)に違い、10mから20mの間で定められます。

これを「フロンテージ」といいますが、10m、12m、15mのいずれかで定めている区市町村が多いようです。

そして、それぞれの建物の主な出入口(玄関や門など)が接する部分の基礎番号が、その建物の「住居番号」(住居表示の「○号」に相当する部分)となるわけです。

ただし、旗ざお状の敷地などで建物が奥まった位置にあるような場合には、基礎番号の付けられた道路と敷地が接する部分で判断されることになります。

住居表示

上の図では、A宅が8号、B宅が14号ということになりますが、A宅では門の位置や建物を建てる位置(玄関の位置)によって7号または9号のどちらかになる可能性もあるでしょう。

住居表示

さらにこの図のような場合、左上の角の家は玄関の位置をどこにするかによって、1号か21号のどちらかになります。

また、中ほどの6戸の家のように位置指定道路(私道)を設けてミニ開発されたような敷地の場合には、奥の4戸がいずれも18号となります。基礎番号の付けられた道路に接する左側の2戸は玄関の位置によって、上の家は18号か19号、下の家は17号か18号のどちらかです。

なお、現実に十数戸の家がすべて同じ住居表示となるケースもあり、親戚ではないのにまったく同じ住所で同じ姓の家が隣り合うこともあるでしょう。

そのため、これらを区別するために「補助番号プレート制度」を取り入れている区市町村もあります。ただし、この場合でも住居表示自体は他の家と同じままで、郵便配達などの便宜を図るため住所の後に補助番号を加えるのです。

また、マンションなどでは、部屋番号を用いて「○○町一丁目2番3-401号」のように住居表示が決められます。

住居表示の「号」はこのような仕組みになっているのですが、道路上に「基礎番号」の境目が記されているわけではなく、また、2つの基礎番号のちょうど境目あたりに玄関などがあったり、もっと複雑な街区や敷地の形状だったりする場合もあるでしょう。

そのため、それぞれの区市町村による調査および決定を待たないと「住居表示(号)がどうなるか分からない」といったケースも珍しくありません。

逆に、設計変更で玄関や門の位置が変わることもあるため、建築工事がある程度まで進んだ段階でなければ、区市町村も住居表示を決めてくれないのです。

ところで……住居表示の起点はどこ?

住居表示をめぐっては「1番や1号の起点がどこなのか」といった疑問が話題にされることも多いようです。

以前、あるインターネット上のやり取りをみていたところ「お城に近い角が起点だ」「いやそれは違う。そもそもウチの町には城がない」「そうじゃなくて市役所に近い角だ」などといった内容の議論が交わされていましたが、ある一面ではいずれも正しく、それと同時にある一面ではいずれも間違いです。

実際にどこを起点にするのかは、それぞれの区市町村によって違ううえ、同じ区市町村のなかでも地域ごとに起点の定めかたが違う例もあるのです。

そのため「南西の角」「南東の角」「北西の角」「北東の角」などと定めている区市町村だけでなく、「市の中心に近い角」「JR○○駅に近いところ」「△△公園に近いところ」などと定めている例もあります。

もちろん「**城に近いところ」と定めている場合もあるでしょうし、それが町のシンボルであれば「**ホールに近いところ」としている場合もあり得ます。

いずれにしても、街区方式による住居表示で全国的にほぼ共通しているのは(例外があるかどうかの検証はしていませんが)、基礎番号が右回りであるということだけです。それ以外はすべて「区市町村ごとに違う」と考えておいたほうがよいでしょう。

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