太陽光発電所の売却と購入&セカンダリー取引の実務 – EICネット

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ベーカー&マッケンジー法律事務所 パートナー 弁護士

江口 直明(えぐち なおあき) 氏

改正再エネ法が2017年4月1日から施行された。太陽光発電の買取価格は2MW以上の太陽光発電所は入札となり、上限価格は2MW未満と同じ21円である。新規の太陽光発電案件の開発は、オリンピック前の建設工事の増加で工事費が高止まりしている環境下では益々難しくなると思われる。さらに過積載の規制がこれに追い打ちをかけている。これは取りも直さず、既存の太陽光発電所の希少性が高まり、価値が上がることにつながる。2017年3月31日までに接続契約を締結しない既存の設備認定は27GW分失効した。逆に言えば23GW分は3月末を乗り切ったことになる。固定価格買取制度も6年目に入り、売電を開始した太陽光発電所が増えてきた。資源エネルギー庁の発表によると2017年2月末現在で28,530MW超の非住宅太陽光発電所が運転を開始している。1MWあたりの建設費用を3億円と仮定すると、3億円×28,530MW =8.559兆円分の運転を開始した太陽光発電所が存在することになる。従来は開発途上の太陽光発電所の3点セット(?設備認定、?電力会社への接続申込の地位、?土地利用権)をMWあたり数千万円で取引するいわゆる「権利売買」取引が行われていたが、それに加えて完成した太陽光発電所を売買するセカンダリー取引が活発になってきている。丸紅が建設した太陽光発電所を400億円で日本政策投資銀行に売却し、200億円の売却益を得たことが報道されている。海外ファンドも日本に上陸し、太陽光発電所を買い始めている。また、東京証券取引所の太陽光発電所等の再生可能エネルギー向けインフラリート投資法人もタカラレーベンインフラ投資法人が2016年6月2日に東証に上場し、2016年12月1日には、いちごグリーンインフラ投資法人が東証に上場した。さらに2017年3月29日にはリニューアブル・ジャパンの子会社のRJインベストメントが運用を手掛ける日本再生可能エネルギーインフラ投資法人が東証に上場した。また、非上場のファンドの組成も活発化している。日系の開発者の中には、当初の予定を変更して、完成した発電所をまとめて売りに出す動きが出てきた。

また、海外投資家は完成後は売却することを前提に開発を進めている。海外投資家が完成した太陽光発電所を売りに出すケースも増えてきた。10以上の太陽光発電所をまとめて売りに出すバルクセールの入札も活発化している。さらに電力小売自由化を勝ち抜くためにPPSによる電源獲得競争が始まっている。他方、自然災害の脅威は高まり、設計・建設に瑕疵のある太陽光発電所を購入してしまった場合には思わぬ損害賠償請求を受けるリスクも高まってきた。技術的なデューディリジェンス及び購入後に売主に責任を追及できる売買契約書が重要になる。本セミナーでは完成した太陽光発電所の売買・M&Aについて注意すべき法的問題点と使用する契約書について解説する。

1.全量買取法をめぐる最近の動き

 (a)改正再エネ法の解説

 (b)過積載の新規制

2.制度変更と対応方法

 (a)過積載、出力増加及び基本仕様

   (メーカー、種類、変換効率)を変更しても買取価格への影響なし

 (b)運転開始の3年しばり

 (c)O&Mの基準強化、認定取消リスク

 (d)出力抑制の時間単位制化と太陽光発電に関する指定電力会社指定

   (東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄)

 (e)滞留案件の連系承諾取得者の地位の失効

 (f)送変電設備増強時における入札募集方式

3.完成した太陽光発電事業のセカンダリー取引のリスクとデューディリジエンス

 (a)3点セットの売却

 (b)運転開始済発電所の売却

 (c)許認可の移転可能性 

 (d)土地のデューディリジエンス

 (e)造成土地の崩壊リスク

 (f)賃貸借契約、地上権設定契約、地役権

 (g)パネルメーカーの倒産保険

4.セカンダリー取引の売買契約上の留意点

 (a)株式譲渡と資産譲渡

 (b)株式譲渡契約

 (c)資産譲渡契約

 (d)売買対価の支払い方法

 (e)売買実行までの売主の義務

 (f)売買実行前提条件

 (g)契約相手方のクレジットリスク 

 (h)売買代金のエスクロー

 (i)設計ミス、建設ミス

 (j)建設契約上の瑕疵担保責任

 (k)O&M契約の発電効率保証

 (l)パネル供給契約と性能保証

 (m)情報開示と表明保証

5.トラブル事例の検証

 (a)契約責任

 (b)不法行為責任

 (c)保険カバー

 (d)過去の判例

6.質疑応答/名刺交換





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