コンクリートが強度不足!RC造の危険性

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鉄筋コンクリート造の特徴

マンションの多くが鉄筋コンクリート造になっている

マンションの多くが鉄筋コンクリート造になっている

「鉄筋コンクリート」というと、頑丈なイメージもありますが、たとえばビルの外壁に大きなヒビがあったり、ポロポロ剥がれるように外壁が落ちる、といった光景を見たことはありませんか?

このような現象をコンクリートの劣化といいます。今回は、鉄筋コンクリートで建てられる「RC造(Reinforced

Concrete)」(=鉄筋コンクリート造)の危険性について、基本的なRC造の知識を踏まえつつ解説していきたいと思います。

RC造は「引張力に強いが熱に弱い鉄筋」と「引張力は弱いが圧縮力には強い」コンクリートを組み合わせることによって、お互いの弱点を補いながら強度を出しているのが特長です。価格、強度、そして施工性の面で優れ、マンションではもっとも多く使われる構造となっています。

コンクリートの劣化がもたらす影響

火に強いコンクリートで熱に弱い鉄筋をくるんでおり、お互いの弱点をカバーしあっている

火に強いコンクリートで熱に弱い鉄筋をくるんでおり、お互いの弱点をカバーしあっている

RC造の建物が強度や耐久性を保つためには、建物を構成するコンクリートと鉄筋がそれぞれ劣化しないことが大切です。コンクリートの劣化現象には、ひび、はがれ、変形などがあります。

劣化の原因としては、コンクリートに混ぜ合せた原材料や水の割合に問題があるといった内部的な要因と、自然な乾燥収縮、温度、酸性雨、地震、地盤沈下、施工不良などによる外部的な要因があります。

なんらかの理由でコンクリート部分が劣化してヒビが生じると、中の鉄筋が錆びてしまうことがあります。鉄筋が錆びると鉄筋回りのコンクリートに影響を与え、鉄筋自体もやせてしまうため、建築当初に計算していた構造耐力を発揮できなくなったり、耐久性にも悪い影響を与えたりします。



 

材料が原因で起こるコンクリートの劣化

コンクリートの壁に生じたヒビの例

コンクリートの壁に生じたヒビの例

建設現場で打設されるコンクリートは、一般的にはコンクリート工場でつくられ、ミキサー車で運ばれてきます。コンクリートの主原材料はセメント、水、砂、砂利などで、このうち砂、砂利を合わせて「骨材」と呼びます。

コンクリートの約70%をこの骨材が占めていますが、これが原因で起こる劣化には次のようなものがあります。

その1 塩害

日本ではもともと山や河川に恵まれているため、コンクリートの原料になる川砂や川砂利が豊富にありました。川砂や川砂利は天然骨材と言われ、何万年もかけて川で洗われ、摩耗され、細粒化し、表面は丸みを帯び、セメントとも良くなじみ、良質の原材料とされてきました。

ところが幾度かの建設ラッシュを迎え、河川保護のため採取量が制限されたことで、現在は川砂、川砂利不足が深刻化しています。代わりに海の砂や砂利を洗浄して使用するケースもあり、洗浄が不十分で塩分が残っていたため中の鉄筋が錆びるという劣化が起こる事例が報告されています。これを塩害といいます。

その2 人工骨材の影響

天然骨材の代替として、工場で製造された「人工骨材」も使用されています。例として山から採れた岩を砕いたものなどが挙げられます。製造方法、品質、試験方法、検査などはJISA5004(コンクリート用砕砂)、JISA5005(コンクリート用砕石)に規定されています。

人工骨材を使用した問題点としては、コンクリートにとって有害な不純物や化学成分が混じることがあり、それがコンクリート中の成分と化学反応を起こし、多数のひび割れや、コンクリートの表面がポップコーンがはじけたように外側に飛び出す「ポップアウト現象」を引き起こす原因となることがあります。ポップアウト現象は、このような骨材の化学反応のほかにも、内部の鉄筋のさびやコンクリート中の水分の膨張などが原因で起こることもあります。

これらの問題を起こす成分は天然骨材にはほとんど含まれないと考えられています。



 

深刻なひび、はがれの状態とは?

コンクリートのひびやはがれ、ポップアウトによる影響については、小さなものであればあまり問題になることはないと言われていますが、劣化が進行するとコンクリートの構造耐力を損ない、耐久性に対しても大きく影響を与えることがあります。

参考に、コンクリート構造物の劣化度を1~6に分類した表を載せます。この表で、劣化度4までが許容劣化限度状態、劣化度5で構造上支障をきたし補修が必要、劣化度6で構造上危険な状態とされています。

コンクリート構造物の劣化度。参考文献を元にガイドが作成。【参考】日本建築学会編;高耐久性鉄筋コンクリート造設計施工指針(案)1991年7月。

コンクリート構造物の劣化度。参考文献を元にガイドが作成。【参考】日本建築学会編;高耐久性鉄筋コンクリート造設計施工指針(案)1991年7月。

コンクリートに入るひびについては、この程度までなら大丈夫という目安は次の通りです。

・海の側であるなど塩害を受けやすい地域では0.2mm以上のひび割れがないこと。それ以外の地域では、幅0.3mm以上のひび割れがないこと。

いずれの場合でも、コンクリートの状態について心配な場合は、建物個別に専門機関の診断を受けるようにしてください。

【参考文献】

よくわかるコンクリートの劣化と補修/槇谷栄次著/森北出版株式会社

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