焦点:「パラサイト」世帯の高年齢化、日本社会のリスク要因に – ロイター

Home » 家賃 収入 » 焦点:「パラサイト」世帯の高年齢化、日本社会のリスク要因に – ロイター
家賃 収入 コメントはまだありません



[東京 19日 ロイター] – 未婚のまま親と同居を続ける40─50歳代が10年ほど前から急増、その数は現在も高水準にとどまっている。親の年金収入に生活を頼る人の割合が大きくなっており、1990年代に「パラサイト(寄生)シングル」と呼ばれた独身者が職を失ったり、非正規社員になったりして、親の年金に依存している実態が浮かび上がる。親が亡くなった後、彼らの生活をどうするのか。日本社会の新なリスクファクターとの指摘もある。

<まさかこうなるとは このままでは共倒れ>

「なんとかやっていけると思っていたが、このままだと(母と)共倒れになる」──田中博美氏(54)は、大学で声楽を勉強した後、コンサートやレコーディングのバックコーラスの仕事をした。ボイストレーナーとして、音楽教室の仕事もしていたが、10年ほど前から急に仕事が減った。都内の一戸建てで両親と暮らし、結婚はしなかった。半年前に父が亡くなり、年金は半分くらいになってしまった。

仕事が激減したためハローワークにも行ったが、音楽関係の求人はほとんどなく、あっても決まらない。国民年金も途中で払うのをやめてしまい、受給資格がない。自分の老後は「全くの未知。音楽を教える仕事は一生できると考え、まさかなくなるとは思わなかった」。

<50代になった「パラサイトシングル」>

パラサイトシングルとは、学卒後も親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している未婚者のこと。1997年に山田昌弘中央大学教授が著書「パラサイト・シングルの時代」で造語した。当時は親に家事を任せ、家賃も払わず、給料を自分のためだけに使う気ままな独身貴族という意味合いで使われていた。山田教授によると、当時、親と同居していた独身25歳の3分の1ほどが、未婚のまま50歳になっている。1990年あたりから非正規社員が増え始めたことがその背景にある。山田教授は「非正規で収入の低い男性は結婚できない。女性は結婚して生活水準が落ちるのがいやだから、親と同居のままでいいと思っている」と指摘する。

国立社会保障・人口問題研究所によると、2015年に、50歳まで一度も結婚したことのない人は男性で23.37%、女性は14.06%だった。男性の4人に1人、女性の7人に1人にあたり、どちらも前回(2010年)調査より3ポイント以上上昇、過去最高を更新した。

山田教授は、このままでは日本社会の大きなリスクになると警告する。「生活の保障をしてくれた親が亡くなった時、彼らの生活が破たんする。親の資産や貯金を食いつぶしたあとは、生活保護というパターン」。問題は社会保障という財政問題だけではない。公営住宅などがスラム化し、社会不安を起こす可能性もあるという。





コメントを残す