住まいの災害リスク、簡単チェック ネットで地形把握 – 日本経済新聞

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 戸建てやマンションをすでにお持ちの方も、これから買おうという方にとっても、住んでいる地域にはどんな自然災害のリスクが潜んでいるのかは気になるところです。

 最近では、各自治体が洪水などの危険性を示したハザードマップを公開しているので、水害のリスクについては、自分で調べるという方も多くなってきました。ただ、それ以外の災害のリスクは、街を歩いただけでは簡単に分かるものではないですし、住まいの購入時に不動産業者が細かく説明してくれるわけでもありません。

 こうした地域の自然災害リスクを示した地図が国土地理院の「土地条件図」です。防災対策や、土地の利用・保全・地域開発などの計画づくりに必要な土地の自然条件などに関する基礎資料を提供する目的で、主に地形分類(山地、台地・段丘、低地、水部、人工地形など)について示したものです。しかし凡例が多く読み込むには多少の知識が必要なうえ、情報が重なってしまっている部分が見にくいことなどから、一般の人には使いにくい側面がありました。

■「土地条件図」が進化

 そんな中、国土地理院は昨年3月、身の回りの土地の成り立ちと自然災害リスクが一度に分かる「地形分類」を発表、今年3月には公開エリアを拡大しました。自然本来の地形(自然地形)と、人の手が加わり変化した地形(人工地形)が一目でチェックできる便利な地図です。

 「地理院地図」のウェブサイト(https://maps.gsi.go.jp/)から情報→全て→ベクトルタイル提供実験→地形分類(自然地形)または地形分類(人工地形)と進みます。

 低地と台地、河川が入り組んだ地形のJR常磐線松戸駅かいわいをこの地図を使って見てみましょう。

 表示された場所は、かつて河川の道筋だったところが宅地になっていることがわかります。旧河川ですので水はけが悪く、地盤は軟弱で、地震の際は揺れが大きくなりやすく、液状化のリスクが大きいとされています。

 また、地形分類の人工地形を選ぶと上のような地図が表示され、さらに地図上の知りたい場所をクリックすると人工地形の種類と解説が表示されます。松戸駅の西側に広がる地域は「盛土地・埋立地」で、谷のような凹地を埋め立てて造成されていることが示されています。高さが十分でない場合には浸水のリスクや液状化のリスクがあり、河川を埋め立てた場所では特に注意が必要という解説があります。

 この地図を利用すれば、誰でも住まいの地形の成り立ちや自然災害リスクの基本的な情報を簡単に知ることができます。

 そのうえで、洪水ハザードマップなどがチェックできる国土交通省ハザードマップポータルサイト(http://disapotal.gsi.go.jp/)や、表層の地盤の違いから生じる地震の揺れの増幅度がわかる防災科学技術研究所のJ-SHIS 地震ハザードステーション(http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/)などを利用すれば、より深く自然災害のリスクがわかると思います。

■リスク知ったうえで対策を

 こうした地図を利用し、事前に自然災害リスクを知っておくことは、住まい選びの基本となります。もちろん、リスクがまったくない土地というのはありませんので、リスクを知ったうえでどのような対策をしておくかということがポイントです。

 住まいをお持ちの方も、これから買おうという方も、一度利用してみてはいかがでしょうか。

田中歩

 1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、ライフシミュレーション付き住宅購入サポート、ホームインスペクション付き住宅売買コンサルティング仲介など、ユーザー目線のサービスを提供。2014年11月から「さくら事務所」執行役員として、総合不動産コンサルティング事業の企画運営を担う。

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