成田空港を囲む現代アートプロジェクト『ふわりの森』 古民家カフェ『TOAST AND HONEY』を訪ねた – http://spice.eplus.jp/

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近年、地方創生とアートを結びつけたイベントや芸術祭が増加傾向にある。その代表的な成功例としては瀬戸内海の島々で開催されている『瀬戸内国際芸術祭』や、新潟県の『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ』などであろう。いずれも人口減や雇用減に苦しむ地方自治体が、アートによる地域活性化を目的の一つとして開催した芸術祭だ。

筆者もかつて大地の芸術祭に足を運んだことがあるが、田園風景の中に現代アートが展示されていることや、周辺の景色と郷土料理も楽しめるアートの旅は新鮮だった。当時は全国的にアートによる地方創生が広がりを見せるとは思いもしなかったが、現在の盛り上がりを見ると、アートが地方創生に一役買っているのは間違いないようだ。

成田国際空港を囲む現代アートの森『ふわりの森』

そんな中、2014年秋に、千葉県成田市で成田空港圏初の現代アートプロジェクト『ふわりの森』が始動した。成田国際空港を囲む豊かな自然環境を利用したランドアートプロジェクトで、空港圏出身のアーティストであるシムラユウスケ氏がディレクターを務める。

「このプロジェクトはアーティストが中心となって地域のアーカイブを作品で再生し、そこに地域、人々が集う協働型にしています」とシムラ氏は語る。このプロジェクトは地方自治体が主導ではなく、アーティスト主体であり、作品の制作は地元住民との協働によってプロジェクトが進行しているのだ。

『ふわりの森』への入り口
古民家カフェ『TOAST AND HONEY(トースト アンド ハニー)』

成田国際空港から2駅、成田線 下総松崎(しもうさまんざき)と言う駅がある。『ふわりの森』の創造拠点となっている地区だ。上野駅からは電車で1時間ほどの位置にある里山で、駅の周辺には田園風景が広がる。この小さな駅から徒歩で30秒のところに、2015年12月、古民家を改装してできたアートカフェ『TOAST AND HONEY』がオープンした。シムラユウスケ氏がオーナーを務めるこちらのカフェは、毎週金・土・日・祝日限定でオープン。『ふわりの森』への入り口としての機能もあるようだ。

下総松崎駅周辺の田園地帯

下総松崎駅周辺の田園地帯

下総松崎駅

下総松崎駅

週末は『TOAST AND HONEY』でスペシャリティーコーヒーを

店内はカウンター席とソファ席に加え、靴を脱いで座れる小上がりがあった。壁には、写真や絵画などの作品が展示されていたり、障子やランプシェードにもデザインが施されていて、自然と目に入ってくる。この日筆者は、ジャズが流れる店内で作品を眺めながら夕方にコーヒーとスイーツを楽しんだが、ランチメニューもあるのでお昼時に来ても楽しめそうだ。

店長がハンドドリップで淹れてくれるスペシャリティーコーヒー

店長がハンドドリップで淹れてくれるスペシャリティーコーヒー

コーヒーはファイヤーキングのカップ&ソーサーでサーブされる

コーヒーはファイヤーキングのカップ&ソーサーでサーブされる

スイーツにはふわりの森のウサギのキャラクターが

スイーツにはふわりの森のウサギのキャラクターが

カフェの店長によると、滞在中のアーティストがこちらのカフェに立ち寄ることもあるとのこと。訪れる客とアーティストを結ぶ、ハブのような機能も持ち合わせているのかもしれない。地元の方々は仕事帰りにコーヒーやビールを楽しんでいかれるそうで、遅くまで開いているカフェは、アーティストと共に地元に馴染みつつあるようだ。

カフェのキッチン

カフェのキッチン

キッチンの壁面にはKaikai Kiki所属のアーティスト、佐藤玲さんによるペイントが施されていた

キッチンの壁面にはKaikai Kiki所属のアーティスト、佐藤玲さんによるペイントが施されていた

3年目を迎える『ふわりの森』

プロジェクトは今年の秋3年目を迎える。成田に招いたアーティストが創作活動の拠点を作るアーティストインレジデンス、空き家を利用したギャラリースペース、訪れた客が休息できる天然黒湯温泉『大和の湯』との連携など着々とプロジェクトが進行している。

シムラ氏によるとこの3年間は、地域との協働と過疎化した地区の再生を軸に活動してきたという。今年はこれまでの活動を共有する場として、小さな芸術祭の開催を予定しているそうだ。

JR成田線 安食(あじき)駅にオープンしたエレベーター。栄町とコラボによるもの。

JR成田線 安食(あじき)駅にオープンしたエレベーター。栄町とコラボによるもの。

エレベーターのオープン記念イベント

エレベーターのオープン記念イベント

エレベーター内部には子どもたちのイラストが採用されている

エレベーター内部には子どもたちのイラストが採用されている

そして2020年、オリンピックイヤーへ

『ふわりの森』は2020年のオリンピックイヤーに、プロジェクトの集大成となる芸術祭『空港都市国際芸術祭 ふわりの森 ARTPARADE』の開催を予定している。地元住民にとっては、アーティストとの協働がどのような形で実を結ぶのか、はっきりと見えてくることになるだろう。外部から訪れる人々にとっては、魅力的なコンテンツとなりうるのか、成田国際空港を囲むこの一帯がどのような変貌を遂げるのか、『ふわりの森』の今後の動向が注目される。

施設情報





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