サロンのように地元住民が集まるモデルハウス – 朝日新聞

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 東京都青梅市のJR小作(おざく)駅から歩いてすぐの場所にユニークな家がある。2階建ての建物は直線基調のシンプルなフォルムだが、支柱やデッキなどに無垢(むく)材を使った2階テラスが、まるで半島のように突き出ている。テラスを囲うウッドフェンスの格子板の長さが不ぞろいのため、突き出た半島部分はツリーハウスのようだ。実はこの物件、地元工務店のモデルハウス。形もそうだが、その取り組みもユニークなのだ。

健幸工房シムラのモデルハウス「杜(もり)」

ハウスを無料開放

 建物に入ると、1階には大きなLDKが広がる。その脇の土間の壁にはボルダリングウォール。柱や梁(はり)、キッチンの什(じゅう)器、フローリングに無垢材を使用し、壁に漆喰(しっくい)を採用したインテリアはナチュラルテイスト。まるでオシャレなカフェのような雰囲気だ。実際、LDKは日替わりカフェとして営業している。

 2階は2部屋あり、さらに6畳ほどのロフトがつく。1、2階とも間仕切りがほとんどなく、トイレと洗面・バス以外、扉は2階の事務所として使われている部屋のみ。2階の一室は「木のおもちゃ広場」、ロフトは「どんぐり文庫」と呼ばれ、小さな子どもたちを遊ばせたり、暮らしに関わるイベントスペースとして地元住民に無料開放されたりしている。

 このモデルハウスを作ったのは、1979(昭和54)年の創業以来、羽村市や青梅市など多摩地域西部を施工エリアとして注文住宅を請け負う「健幸工房シムラ」。カフェやイベントは一般から主催者を募集して運営する、スペース貸し方式。賃料は取らず、光熱費もシムラが負担する。しかも子育て世代のママを対象としたイベント開催時は、ベビーシッターをシムラが用意するそうだ。来場者の記名は取らず、営業担当者も常駐していないなど、販売目的の一般的なモデルハウスとは異なる点が多い。

 当然、住宅の購入検討者以外もモデルハウスに集まってくるわけだが、同社代表取締役社長の志村將成(まさなり)さんは「カフェやイベントに携わりながら『ここ、モデルハウスだったんだ。じゃあ、家を建てるときにシムラに相談しよう』と思っていただければ」と話す。

カフェやイベントで集客

 カフェの来店者は地元客を中心に月間200~300人。イベントも同程度の人数が集まるため、合わせて月に600人がモデルハウスに足を運ぶという。サロンのように気軽に立ち寄れる場というモデルハウス運営が功を奏し、今では成約者のほとんどが何かしらのイベント参加経験者なのだそうだ。

 無垢材に触れながら、子どもと遊んだり、ゆったりくつろいだり、食事するといった、普通のモデルハウスでは難しい「リアルな暮らし」を体験することで、シムラが手がける注文住宅への理解が深まるという狙いがうまくいっているようだ。「本来、家作りは楽しいもの。間取り先行ではなく、暮らし方に夢をもって家作りに臨んでいたけたら、このモデルハウスの目的は達成したと思います」と志村さんは語る。

 ちなみに、無垢材や漆喰壁など自然素材を使った健幸工房シムラの注文住宅の坪単価はおよそ70万円台(税込み)。創業当初は不動産仲介専門だったこともあり、土地探しから設計、建築、アフターまですべて自社で行っている。

(文・中野剛 写真・田中さとし 構成・タラコデザイン 取材日:2017年3月24日)

【物件概要】健幸工房シムラ「モデルハウス杜―mori―」
1979(昭和54)年の創業以来、青梅周辺エリアの不動産仲介と注文住宅を手がける健幸工房シムラが、同社の家作りの楽しさを伝えるモデルハウスとして2年前にオープン。所在地は東京都羽村市小作台1−2−3。JR青梅線「小作(おざく)」駅の東口から歩いてすぐ。ロフト付きの木造2階建てで、延べ床面積は約32坪。1階は月・火(第1・3)・木・金曜日毎に異なるオーナーが運営する日替わりカフェ。2階の「木のおもちゃ広場」とロフトの「どんぐり文庫」は無料開放スペースとなるほか、一般から募集したイベンターによる子育てや食、アート、音楽など様々なイベントも行われる。定休日は毎週水曜日と第2・第4火曜日。モデルハウスの予約やイベント、セミナー詳細は健幸工房シムラ公式HPへ。





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