貸し手の不安軽減、工夫 シニアの部屋探し支える仲介会社:暮らし:中日 … – 中日新聞

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高齢者の入居希望者を受け入れている大家と、物件を確認する山本さん(左)=東京都杉並区で

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 住み慣れたアパートが取り壊されることになり退去を迫られているが、新たな住まいが見つからない−。こんな状況で行き詰まっている高齢者が少なくない。特に一人暮らしの場合は孤独死などの不安を感じ、入居を断る大家が少なくないからだ。そんな中、貸し手のリスクを軽減して、高齢者の入居につなげる動きも出始めている。

 「不動産会社から紹介される物件で、高齢者でも大丈夫だと言ってくれるのは十件に一件くらい。厳しいというのが実感です」

 そう話すのは、首都圏で六十五歳以上向けに不動産を仲介する「R65不動産」(東京都杉並区)代表の山本遼さん(27)。以前勤務した不動産会社で、高齢者の部屋探しに苦労した経験から、二年前に独立した。

 転居先を探す高齢者には「取り壊しで立ち退くことになった」「膝が悪く、階段のあるいまの部屋は住みにくい」など、切実な事情の人が多い。しかし、大家側には、一人暮らしや高齢者夫婦のみの世帯の場合は、「見守りが必要ではないか」「一人で部屋で亡くなられたら困る」といった心配がある。

 こうした不安の軽減に向け、山本さんが力を入れているのが高齢者の体や暮らしぶりなどに関する情報を、本人の了解を得て大家に伝えることだ。新居を探す高齢者と面談し、体に支障がないかや頻繁に連絡を取る家族や知人がいるかなどを聞き取り、入居したい物件の大家に伝えている。

 「身寄りがなくても定期的に訪れるケアマネジャーや訪問介護ヘルパーがいると分かるだけで安心感が違う」。入居者が死亡した場合、部屋の原状回復費用を補償する特約が付いた大家向きの火災保険があることなども紹介している。

 こうした働きかけもあり、高齢者に物件を紹介してくれる大家はゼロから四十人ほどに増えたという。ただ、同社が直接、入居希望者と大家の間に入るのではなく、他の仲介会社につなぐケースでは「大家さんがよくても、仲介会社が断ろうとすることもある。粘り強く説得を試みるのが大事になる」と話す。

 山本さんは、R65不動産が契約者となって高齢者に貸し出す手法なども今後、検討するという。

◆愛知では大家らが電話相談

 愛知県内では、アパートの大家らでつくる「愛知共同住宅協会」が2012年度から、無料電話窓口「見守り大家さんヘルプライン」=フリーダイヤル(0120)279083=を開設している。条件に合った物件情報を集めるなど、高齢者ら住まい探しに困っている人をサポートしている。

 国立社会保障・人口問題研究所によると、一人暮らしの高齢者は2035年に762万人に達すると推計されている。今後約20年間で170万人増加する計算だ。

 ただ、高齢者の住まい探しを支援する動きは全国ではまだ少ない。協会理事を務める杉本みさ紀弁護士は「入居者の緊急時に、大家さんだけに負担がかかるのでは難しい。自治体や地域包括支援センターも関わった見守りの仕組みなどが必要ではないか」と話している。

 (添田隆典)

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