千代田区「六番町」の地価が日本一高い理由

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9年ぶり「住宅地価」上昇は、低金利と「人の移動」

都心の風景

都心の風景

2017年1月1日時点の地価公示「住宅地」全国が前年比プラス(0.022%)。じつに9年ぶりの上昇となった。しかし、バブルのときのような一様の値上がりではない。低金利の影響はあるものの、主だった上げは都市中枢部。「不便な地域の下落分をも帳消しにするほどそれらがけん引した」が実状ではないか。

人口減少、少子高齢化。今後日本で続く、こうした社会現象は「どの場所も住宅需要が減退し、空き家が増える」ことを意味するのではない。不便な立地の経済が成り立ちにくくなり、「便利な場所に人が集まる」ことを意味しているのだ。暮らしやすい都市、便利な沿線、誰もが生活しやすい所に人が寄り集まっていく。これからますます拍車がかかっていくとみる。

住宅地上位「番町」エリアはたしかに都心立地だが…

「三番町」の街並みと「スカイツリー」

「三番町」の街並みと「スカイツリー」

大きな人の流れの次に、個々の立地の見極めに必要な視点は何か。都心といえど候補は多い。どこでもいいというわけではないだろう。資産性に優れ、将来下落リスクの低そうな場所はどこか。

ちなみに地価公示(住宅地)全国一は「六番町」だそうだ。他にも「三番町」「一番町」と上位には千代田区番町エリアが並ぶ。たしかに千代田区は都心のど真ん中。大手町や丸の内といった勤務地も同区であることから職住近接の筆頭といえる。だが、生活者の目線でみた場合、果たしてどれだけの評価を得るだろうといった疑問がなくもない。スーパーや飲食店が充実した街は他にもたくさんありそうだ。

都市の沿革を知る

結論から言えば、「番町」の資産価値は「希少性」によるものである。

東京の都市形成の原点は江戸時代にあることはこれまでも述べてきた。城を守るために築かれた「内濠」と「外濠」は環状交通の起点である。国家成長とともに都心では8号線まで輪が広がり、東京圏では圏央道、外環道の整備がなされた(今も着々と進んでいる)。放射状に延びた五街道(現在の国道、高速道、新幹線)が収斂する中心部の稼働が麻痺しないよう、増加の一途をたどる人口増にも高い機能性を発揮するために構築された東京固有の交通システムである。

外郭の充実がもたらすものは何か。それは「コア(中央)の利便向上」に他ならない。強靭な交通インフラは、政治経済の中枢機関が集まる「内堀と外堀の間」の効率を損ねなかったのである。立法、行政、司法は永田町・霞が関に、数多の大手企業は丸の内、大手町に集積。都市の肥大化にあって、このごくわずかなゾーンに国を統治する組織が、グローバルに経済を展開する企業が集約・維持できているのも都市構造を支えるインフラの成果だろう。

春の千鳥ヶ淵(千代田区)

春の千鳥ヶ淵(千代田区)

広大な大名屋敷がもたらした大きな街区が千代田区(おもに江戸城周辺の南と西側)の特徴であるが、敷地の(相対的に)小さな一画が甲州街道の北側にあった。それが番町である。旗本衆が集められた見晴らしの良い高台は「番町の 魚の下がるほど 尋ね」という川柳が読まれるほど似た家が多くあった。おかげで住居用途に好適な街割りになったというわけだ。

甲州街道は四谷見附(「四ツ谷」駅)南側に「紀尾井町」という住所がある。紀州徳川家、尾張徳川家、井伊家の御屋敷があったことが由来だ。現在の「紀尾井町ガーデンテラス」「上智大学」「ホテルニューオータニ」である。御三家のふたつがおかれたことからも、現状の土地活用からも、その地理的な利用価値の高さが窺い知れる。番町近接のロケーションだ。つまり番町エリアの住宅としての希少性は、「偶発的な史実」が根拠にあり、それは昨今の都心再開発によって「相対的に高まっていく」という特異な状況下にあるのだ。

とかく立地の資産価値は「利便性」で語られる傾向が強い。「駅徒歩○分」に代表されるものだ。だが市場の細分化に伴い、立地の魅力を深耕するには第二第三のものさしが求められる。そのひとつが「沿革」だろう。過去を知ることが目的ではない。資産性に影響をもたらす「希少の有無」を見分けやすくするのだ。

【ガイドが内覧した番町エリアの物件】

新築マンションモデルルーム:「ONE AVENUE 一番町文人通り

リノベーションマンション:「グランドヒルズ一番町

【参考記事】
2017年、この春の注目マンションプロジェクト





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