火災を防ぐために住まいや暮らしの中でできる備え

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我が国は地震、台風をはじめとした様々な種類の災害が発生し、しかもそれらの発生頻度が高い国です。ですから住まいはもちろん、日々の暮らしにおいても災害への備えが欠かせません。ただ、これさえしっかりしておけばというものがあります。それは火災対策。火災を抑えられれば、災害の被害を小さくできるためです。2017年で東日本大震災から6年経ちますが、この機会に住まいや暮らしの火災に対する備えについて考えてみましょう。

災害に位置づけられた糸魚川市大規模火災

さて、火災といえば最近では「(新潟県)糸魚川市大規模火災」が記憶に新しいところです。2016年12月22日昼ころにJR糸魚川駅北側で発生。鎮火には翌日の夕方まで約30時間かかったといいます。

火災現場

ある火災現場の様子。火災は家族の命や財産のみならず、周辺の人たちの幸せを奪うもの。対策をしっかりと行いたいものだ(写真はイメージ。クリックすると拡大します)

地震や津波によるものは除いて、過去20年では国内最大規模の火災となったため、このため新潟県はこの火災を災害救助法に適用する災害に指定しています。これほどの規模でありながら、死亡者が出なかったことが唯一の救いといえるのでしょうか。被害に遭われた方々にこの場を借りてお見舞い申し上げたいと思います。

出火元となったのは中華料理店における火の取り扱いの不備だそうですが、お店の方もこんな大事になるとは考えてもいなかったでしょう。火災が怖いのは不注意が、人為的なミスが災害と呼ばれる規模の被害を引き起こすことです。

さて、消防庁では『住宅防火「いのちを守る7つのポイント」』として以下をあげています。

<対策>

(1)火災報知器の設置

(2)防炎品の使用

(3)住宅用消火器を設置

(4)隣近所との協力体制
<習慣>

(5)寝タバコをしない

(6)ストーブを燃えやすいものの近くで使用しない

(7)ガスコンロなどの側から離れる時は火を消す

ポイント

消防庁による住宅防火「いのちを守る7つのポイント」

糸魚川市大規模火災は、(7)が原因となり(4)が行われたことで、人的被害を最小限度に抑えることができましたと考えられますから、そういう意味で非常に教訓に富んでいるといえそうです。

燃え広がりにくく、逃げやすい住まいにすることが重要!

では、ここからは住まいと暮らしにおける火災対策や備えを深掘りしていきます。まず、新築住宅の場合。住宅地には防火地域、準防火地域、法22条地域という区分があり、それに従って建物を建てることが求められます。

火災

ある火災が発生した住宅の様子。耐火・防火性能の高いコンクリート造であったことと早期の消火から延焼しなかった。補修が行われ、今でも人が住んでいる(クリックすると拡大します)

例えば、防火地域は都市部の駅に近い商業地域などが指定されるため、耐火性の高い外壁材を用いた鉄骨造か、鉄筋コンクリート(耐火建築物)にする必要があります。3階建て以上の木造住宅も建てられますが、厳しい耐火基準をクリアする高度な技術が必要です。

準防火地域では、外壁や窓などに耐火時間45分以上(準耐火建築物)、木造2階建てでは耐火時間30分以上(防火構造)の性能が求められます。要は、そうした法規制を遵守して、それなりのコストをかけて住まいづくりをしなければならないというわけです。

ちなみに、耐火は住宅内部で発生した火災に対して建物の倒壊や周囲への延焼を防ぐこと。防火は住宅の周囲で発生した火災に対して延焼を防ぐことです。住まいは家族の生命や財産を守るもの。周辺地域の方々も含めて、耐火と防火という二重の仕組みにより消火活動や避難をしやすくするわけです。

このほか、設計に配慮することで火災時にも安全を確保しやすくできます。例えば、1階にLDKや寝室があり大きな開口部があるようでしたら逃げやすくなりますし、庭などに避難を妨げるものがないようだとより良いはずです。特に住宅密集地ではそのような検討もされるべきでしょう。

分譲住宅地

大阪府にある分譲住宅地における防災訓練の様子。住民が参加して実施している。このような分譲住宅地なら、万が一の際にも消火や避難の活動を住民が協力して行えるため安心感がある(クリックすると拡大します)

話は少しそれますが、私が住む埼玉県川口市では最近、放火事件が多発しています。それらを未然に防ぐため、玄関やベランダに燃えやすいモノを置かないようにすることが有効です。つまり放火をされにくい物置スペースの確保など、収納工夫施すことも火災対策につながるわけです。

なお、(1)の火災報知器の設置も、万が一の火災の時に速やかに気づき消火活動をしたり、逃げやすくするためのものです。消防法の改正により2006年(平成18年)に新築住宅、2011年(同23年)には共同住宅を含む全ての住宅に設置が義務化されました。

土地購入から新築する方、分譲住宅の購入を検討される方は、地域や分譲地に火災や災害へ備える仕掛けがあるかも重視すべきです。そうであれば、糸魚川市大規模火災のように地域の方々と協力して火災被害を最小限にできる可能性があるからです。

次に既存住宅を含めた対策・備えについて。(2)にもあるように居室の壁材やカーテンなどを不燃材・難燃材などにすることも、燃え広がりしにくく、早期消火や避難をしやすくしてくれます。居室内に燃え広がりやすい素材をできるだけ配置しないことが大切なのです。

IHクッキングヒータや電気ストーブなど、できるだけ火を使わない設備や機器を採用するのも効果的です。ガスを使うコンロでも、最近は自動消火機能機能付きなど安全性が高いものが開発・発売されていますから取り入れてみるべきでしょう。

川越

埼玉県川越市に残る蔵造りによる街並み。土蔵による火に強い建物と、住民一人ひとりが火災を起こさないよう努めた結果、このような歴史的な街並みが残っている(クリックすると拡大します)

消防庁の7つのポイントではそのうちの3つを「習慣」となっていますが、寝タバコを含めたタバコの不始末をしないようにするだけでなく、子どもに火の取り扱い方や恐ろしさを伝えることも重要かもしれません。近年は料理にも火を使わない生活が一般化していますから。

歴史に詳しい方ならご存じでしょうが、我が国ではかつて大きな火災に見舞われてきました。ですので、火災の火元となると死罪など厳しい罪となることもあったそうです。そのことを容認するわけではないのですが、火をあまり使わなくなった今の時代だからこそ、火の恐ろしさを経験や習慣として受け継ぐことは大切なことと思われます。

ところで、自治体が前述した防火地域や準防火地域といった規制を設けるのは、今後発生が予想されている首都圏直下型地震や東南海地震など大地震などによる二次災害としての大火災が強く懸念されるためです。特に近年注目されているのが「通電火災」です。

通電火災の防止に有効な感震ブレーカーの設置

ブレーカー

戸建て住宅に設置されているブレーカー。近年はこのようなものにも簡単、安価に取り付けられる感震ブレーカーが発売されている(クリックすると拡大します)

これは停電復旧時に地震で倒れた電気ストーブなどが、周りの書籍やカーテンなどに引火し火事を発生させることをいいます。電気コードが破損し、電気復旧時にショートし、近くの可燃物に引火し出火するといったケースもあるようです。

中でも、阪神淡路大震災、東日本大震災で多発し、それらによる総出火数の約6割が通電火災によるといわれています。つまり、比較的安全と思われている電気のみによる暮らしにも死角があるわけです。そこでその対策として近年、「感震ブレーカー」の設置が推奨されています。

これは地震の揺れをセンサーが感知し、一定震度以上の揺れで自動的に電気の供給を遮断するものです。通電火災対策に有効とされ、大手ハウスメーカーなどでは近年、採用が進んでいます。また、既存住宅向けに簡単、安価(数千円)にブレーカーに設置できる器具も販売されています。

建物が倒壊しなかったにもかかわらず、火災によって焼失するというのは何とももったいない話。また、一軒一軒の住まいが備えを行うことで二次災害としての火災の広がりを防げるという意味でも感震ブレーカーの設置は有効と思われます。

ハザードマップで地域の危険度を知っておこう

最後に、以下は火災とは直接関連しない部分がありますが、ちょっと触れておきたいこと。各自治体では「ハザードマップ」というものを作成し、冊子を用意したりホームページで公開しています。

マップ

川口市の地震防災ハザードマップ(クリックすると拡大します)

私が居住する埼玉県川口市にもあり、地震防災と洪水に関するものがあります。このうち前者には直下型地震発生時の建物被害の予測が盛り込まれています。これは、年代や構造の建物データを元にしたもので、地区ごとに細かくわかりやすく色分けされており、火災被害の予測とも関連がありそうです。

それをみると、自分が住んでいる地域がどのような場所なのか、ある程度判断できます。ちなみに私の住んでいる場所は、マップ上では結構危ない場所とされています。このようなものは皆さんがお住まいの自治体にも用意されているはずです。

避難場所なども掲載されています。どこに避難するかといったことを家族と話し合っておけば、万が一の際に不安を減らすことができるため、ハザードマップもしっかりと活用したいものです。





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