「木でできた家は気持ちいい」は本当か?

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「木の家」は本当に気持ちいいのか?――快適性を科学する

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「木の家」は本当に気持ちいいのか?  

人間が健やかに暮らすには、温度・湿度はもちろん香りや睡眠に至るまでさまざまな要因が求められます。特によく聞く話のひとつに、「無垢の木でつくった家は空気がさらりとして気持ちがいいですよ」というものがあります。しかし、それはあくまでその人個人の体験だけの話で、科学的に裏づけされたものではありません。

あらためて無垢の木は人間の身体にどのように働くのか、睡眠・調湿・香りの3つの点から検証してみましょう。

無垢の木の効果1:睡眠効果にすぐれている

無垢材と新建材を使った室内の実験結果によると、無垢材の方が深い眠りが長く、浅い眠りが短いというデータが得られています。

具体的には、睡眠段階を「覚醒期」「睡眠段階1~3」「レム睡眠期」に分類し、各段階の合計時間を算出します。その上で、体は眠っているが脳は覚醒に近い状態を「レム睡眠期」に分類して合計時間を計ると、新建材を使った室内のほうが長いという結果がでました。一方、深い眠りで外からの呼びかけにも反応しにくい状態の「睡眠段階3」での合計時間は、無垢材を使った室内のほうが長かったのです。

つまりこれは無垢材を使った室内の方が睡眠の質が高いということが言えます。

(林野庁「25年度木構造建築物等の健康・省エネデーター収集支援事業」報告書より)

無垢の木の効果2:調湿効果は他の材料とは比較にならないほど高い

木材の調湿効果でもっともわかりやすいのは、フトンを積層合板のフローリングと無垢のフローリングに直接敷いたときです。

積層合板の上では何となく湿っぽさを感じ、無垢の床では感じられません。木材のデータからもわかるように、単位面積あたりの吸湿能は他の材料とは比較にならないくらい高いことがわかります。

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〔日本木材学会データより〕

無垢の木の効果3:気持ちを安らげる香り成分を多く含んでいる

木の香りには、ストレスの解消や心身のリラックスといった効果がありますが、無垢材を使った部屋と新建材を使った部屋の揮発性成分量を相対量で比較すると、無垢材の部屋の方が約3.7倍も多く香り成分が出されています。成分の大半を占めるセスキテルペン類の量の平均値は、気温の低い3月よりも気温の高い6月において高く、季節的にも変化します。

《季節による香り成分量の比較》

(セスキテルペン類)

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■3月4日
無垢材 : 温度11.6℃、 湿度56%
新建材 : 温度11.1℃、 湿度63%

■6月1日

無垢材 : 温度23.4℃、 湿度68%

新建材 : 温度23.9℃、 湿度68%

香り成分量は3月6月とも無垢材の方が多く、季節間の変化量も無垢材のほうが変化が大きい。(資料:林野庁)

木の良さはわかった。しかし使いすぎると落ち着かない?

無垢材でつくられた空間と新建材でつくられた空間に何の説明もなく連れて行かれた後、「どちらの空間が良さそうでしたか?」と質問されたとします。

おそらく多くの人が「無垢材でつくられた空間」と答えると思います。それはきっと見た目のやさしさ、触り心地、そして香りの印象が残るからです。特に昨今は健康志向の高まりを受けて、本物の木が人の心身に及ぼす効果・効能を期待する潜在的ニーズがあるからです。

これからも、もっともっと木に対して多視点で、しかも科学的にその良さが解明されていくでしょう。ただ自然のもつ板目(いため)や柾目(まさめ)は力強いデザインを持っています。あまり室内に使いすぎると落ち着かず安らぎ感はなくなってしまうのです。

室内における木を使う木視率(※)は30%位を目安にすると良く、高くても50%以内に抑える。主役と脇役があって空間もバランスが保たれるのです。

(※)木視率:あたりを見渡した時、木肌が見える割合を示すもの。





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