いつまで続ける賃貸経営?時には「やめ時」も考えよう

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判断のポイント

(1) ご本人やご家族の事情
賃貸住宅経営を続けるかやめるかを考えるにあたって、まず改めて見直したいのが、「ライフプラン」です。言葉を置き換えると「生き方」と言えるかもしれません。

昨今では、賃貸経営もサービス業と捉えられるようになっています。親から物件を受け継いだまま、なんとなく続けているだけではダメです。時代の流れとともに変化する入居者のニーズに合わせた設備を導入したり、一歩踏み込んだ管理体制に切り替えるなど、常に最新のサービスを提供していかなくては、これからの賃貸経営の「冬の時代」を生き残っていけません。

賃貸経営はビジネス―現代では賃貸経営も、何もせず座っていればお金が入ってくるというような簡単なものではありません。他の全てのビジネスと同じく、オーナーが経営者として真剣に取り組まない限り、失敗が待っています。

ここで必要なことは、オーナーとしての資質、経営者としてのバランス感覚です。建物が黙って稼いでくれる時代ではないと認識できるかどうか、あなたが「もしかしたら、向いていないのではないか」と感じたら、「やめ時」を探ることも考えましょう。

次に見直したいのは「次世代対策」―ご高齢のオーナーの場合、「経営を引き継いでくれる後継者がいるかどうか」も大事なポイントです。お子さんが賃貸経営に向いているかどうかは、「上手な人づきあいができるかどうか」です。賃貸経営には不動産会社、リフォーム会社など意外につきあう相手が多く、ある程度の社交的な性格と「うまく人を使う」能力が必要になってきます。

また、適性よりも大切なのは、お子さんの人生設計の中に、賃貸経営を引き継ぐという考えがあるかどうかです。多くのオーナーが引き継ぎを考え始めるのは、体力や気力に自信がなくなってくる70代、80代でしょう。その頃、お子さんの多くは40代、50代。しっかりしたキャリアを持っていれば、そのくらいの年齢がいちばん充実していて忙しいものです。

お子さんに賃貸経営を引き継ぐ気持ちがあるのかどうか、きちんと話し合い、もし考えがないということなら、オーナーご本人がまだしっかりしているうちに、物件を活かしてくれる人へ譲渡する、つまり物件の売却を検討すべきでしょう。現金化して金融資産に換えて残してあげるほうが、より感謝されることもあります。

(2) 物件の立地条件

あなたの建物の立地条件は…

あなたの建物の立地条件は…

駅から遠いなど将来性が見えにくい立地、慢性的な人口流出で衰退してきている地域は、「やめ時」を真剣に考えてください。また、不動産に愛着をあまり感じず、むしろ荷が重いと感じているときも早めに売却した方が良いかもしれません。

ご本人の現住所から遠い「遠距離物件」も手放すべきです。オーナーの目がしっかり届くのは、現住所から一時間以内の地域と考えてください。遠いと管理が行き届かず、かといって現地の会社に丸投げしてしまうお任せ管理やサブリースも、問題が起きやすいものです。地元の不動産会社に好きなようにされてしまい、損失が発生していることに気付かなかったというケースがありました。

物件の現況を診断しましょう

国交省の推計によれば、賃貸用の木造アパートの寿命は約25年と、一般の木造一戸建より早いようです。一般論としては、築25年を超えた木造アパートの場合、大規模リフォームで延命させるという選択肢はなく、そろそろ取り壊しの時期と考えられています。

ただし、どのように建物を維持管理してきたかで建物の寿命は大きく変わってきますので、一般論にこだわらず1軒ごとに診断する必要があります。建物を大切に扱うことによって、まだまだ賃料のとれる優良物件もあれば、解体工事費を控除した更地金額でしか評価できない物件まで、あなたの心がけ次第で評価が大きく変わってきます。

鉄筋コンクリート造の場合、築30年ぐらいでも時代に合った全面的な改修(リノベーション)を行い、再生に成功したケースがかなりあります。ただ、間取りや面積が時代に合っていない場合は、思い切った選択肢を考えるべきです。

築年数の古い物件の選択肢としては、「大規模リフォーム」「建替え」「売却」があります。

それでも賃貸経営を続けるかどうか悩んでいる場合は、中立的な立場の専門家に相談し、それぞれの選択肢のメリット、デメリットを知ることをおすすめします。

古い物件の選択肢

古い物件の選択肢

売却のポイント

(1) 最も大事な「調査」と「分析」
賃貸経営をやめて物件を売却する場合、最も大事なのは「調査」と「分析」です。まず専門家に依頼して築年数、修繕履歴、構造等の建物の状況をチェックし、評価を見定めます。そして、現況のまま売る場合や、解体して更地にして売る場合など、いくつかのパターンを想定して、その中から最善の処分方法を選ぶのです。

現況のままで売却する場合には、家賃の設定や滞納の有無など入居者の現状が売値に関わってきます。購入するのは投資家ですから、正確な家賃・敷金・空室率の情報が必要です。投資額に対する収益率が計算できるので、買う側も検討しやすくなります。管理会社に任せている場合でも、普段からこれらのデータを貰っておきましょう。

築年数が古い場合、土地本来の価格より安く評価されてしまうケースが出てきます。そうした場合には、建物を取り壊して更地として商品化したほうが有利になります。更地であれば、自宅用など投資目的以外にもより広いニーズが見込めます。

(2) プロに売却するメリットは何か

個人の買手に売却する場合、瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)※問題がつきまといます。しかし、専門業者に売却する場合は契約書に「瑕疵担保責任なし」と入れることで売手が責任を回避できる場合があります。デメリットは値付けが安いことです。だいたい相場より5~10%以上、安く見積もられると思っていいでしょう。

※瑕疵担保責任とは、買手が気付いていなかった問題が後になって発覚した際に、売手に損害賠償の責任が生ずること。

プロ相手の売却は、交渉も早く進むし、手離れがよくてトラブルが少ないというメリットがある一方、価格が安くなってしまうというデメリットがあるのです。

(3) 建物の管理はしっかり

建物の管理は老朽化との戦いです。日頃、どのように建物を維持管理してきたかで、建物の価値には大きな差が出てきます。管理が悪く老朽化が進んだ物件を売却しようとすると、どうしても買い叩かれることが多くなってしまうのです。

建物の価値を維持していくためには、普段から建物や入居者をケアし、維持管理に必要な出費をいとわないことが必要です。

(4) 売れる時が売り時

物件を売却すると決めた場合、「高く売れるのは、いつのタイミングか」とつい考えがちですが、一般の人が市況を意識しすぎるのは考えものです。「もっと上がるかもしれない」などと欲をかくと、大抵は失敗します。

少子高齢化と人口減少が進む日本では、不動産価格は長期トレンドとしては低下していく方向と見られます。そう考えると「売れる時が売り時」と言えるでしょう。ともあれ、まずは現状を把握することが基本になります。売却を検討される場合、不動産会社の無料査定サービスなどを利用して、お手持ちの物件の市場価値を調べてみてはいかがでしょうか。

賃貸経営やめ時チェックリスト

以下に一つでも当てはまる方は、今後賃貸経営を継続するか否か、真剣に考える時期だと言えるでしょう。

・このまま賃貸経営を続けていく自信がない

・賃貸経営を引き継いでくれる相続人がいない

・相続人はいるが、賃貸経営に興味がない、技量不足

・相続税を支払う現金に余裕がない、納税に不安

・周辺地域の人気があまり高くない、将来性に不安

・入居者が決まりにくくなってきた、空室に悩む

・家賃滞納や入居者トラブルが頻繁に起こる

・本格的にリフォームをしたことがない、修繕計画を持っていない

・自分の所有している賃貸物件をほとんど見に行ったことがない

・不動産業者に入居者斡旋は頼んでいるが、賃貸管理業務は頼んでいない





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