街を面白がって毎日を楽しくする活動の見つけ方

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街はアプローチしてくれない

人間同士の関係と、人と街の関係で大きく違うのは、街は待っていても向うからアプローチしてくれることはないという点だ。人と人との関係なら、こちらにその気がなくても相手が一目惚れしてくれ、熱烈にアプローチしてくれるといった夢のような展開もたまに(ごくごくたまに?)あり得るが、街が住む人にアプローチしてくることはほぼない。

もし、あなたが世界的に有名なアーティストか何かであれば名誉市民になりませんかといったアプローチはあり得るが、そうでない普通の住民に街の人たちがアプローチしてくることはほぼ考えられない。その街で知り合いを作りたい、その街に楽しく住みたいと思ったら、自分からアクションを起こさなくてはならないのだ。

では、どんなやり方があるのか。また、参加してみるとどんなことが起きるのか。実例を交えつつ、その街に住むことが楽しくなる、街を面白がる団体の見つけ方、参加方法を見ていこう。

ハードルの低い、ボランティアに参加してみる

一番参加しやすいのは経験、資格不問で誰でも参加できるハードルの低いボランティアである。たとえばゴミ拾い。ゴミ拾いに関しては2001年に原宿表参道でスタート、2003年からはNPO法人として全国に70カ所以上、海外にもチームがある「グリーンバード」という団体がある。首都圏では前述の原宿表参道のほか、池袋、つくば、大宮などの各地で活動が行われており、川崎市のように川崎駅前、武蔵小杉、武蔵新城、溝の口、新百合ヶ丘、宮前平、磯子などと複数の街の人たちが参加している地域もある。

グリーンバード川崎駅前

川崎駅周辺でのゴミ拾い。親子連れも多く、地方から集まる人もいる(クリックで拡大)

この活動はゴミ拾いを主としてはいるが、それ以上に参加者同士のコミュニケーションを図ることを大事にしているので、地元に知った顔を作りたいという人ならうってつけ。グリーンバード以外でも地名プラスゴミ拾いというような形で検索をかければ、いくつか団体が見つかる。

ちょっと変わった、でも特別な技術、資格などの要らないボランティアとしてお勧めは船橋市の民間図書館。駅前のビルを始め、市内や千葉県内その他首都圏に60余館ある図書館で受付などを行うものだが、1回だけ、短期でやってみたいというだけでも可。過去には家族が東京ディズニーランドに行っている間だけボランティアしたいという人もいたそうだ。

民間図書館

船橋市の民間図書館。駅ビル内など目立つ場所にもあるので、そこでボランティア参加の方法を聞いてみると良いだろう(クリックで拡大)

この図書館は大学生だった岡直樹氏が12年前に始めたもので、もともとは利便性で選ばれるものの、長く住み続けてくれる人が少ない船橋市を変えたいというのが動機。実際参加している人たちは街にたくさん知り合いができているようで楽しそう。「街に100人友達がいたら引っ越さないでしょう」とは岡氏の言葉だが、そんな街に住むのはきっととても楽しいはずだ。

趣味を楽しむイベントに参加してみる

趣味を通じて街と仲良くなる方法もある。たとえば街を知るという意味でも役立つ街歩き。最近では自治体主催の街歩きなども増えているが、人数も多く、教室的な雰囲気の場合も多いので、参加者と仲良くなりたいなら民間主導のものがお勧め。これはゴミ拾いその他のイベントでも同様だ。

地図研

最近は自治体主導などでの街歩きイベントも多い。参加するなら地域密着型が面白い(クリックで拡大)

不定期だが、地元密着で活動を続けているのが仙川地図研究所(調布市)。街歩きに加え、自分たちで地元を歩いた結果をまとめて地図を作ったり、市のイベントに参加するなどの活動をしており、歩く以外の活動も多数。大人だけでなく、子ども連れでの参加もできるので家族で楽しめるところもお勧め。

西国図書室

日曜日の午後というのが基本的な開館日だが、スケジュールは事前に確認してから訪問したい(クリックで拡大)

最近増えているのが本を通じた街づくり。たとえば中央線沿線の西国分寺では自宅を開放した図書室「西国図書室」があり、日曜日の午後に開かれる。元々の蔵書に加え、利用者が持ち寄った書籍が置かれており、利用したい人は自分の本を持って行くことで同数の本が借りられるようになる。ただ、持って行くだけでなく、自分でお勧めコメントを付けたり、感想を書きあったりすることで他の利用者と緩やかな交流がはかれる仕組みで、人見知りなので、少しずつ知り合いを増やしていきたいと言う人にはお勧め。

国立本店

スペースは小さいものの、個性的な人が集まる国立本店(クリックで拡大)

また、同じく中央線のお隣駅、国立では同様に日替わりでメンバーが店長になって開かれる「国立本店」なる図書室がある。ここでは本を読む以外に、本や街の歴史ある建物に関するイベントが開かれたりと多彩な活動が開かれており、街を知るためには良い窓口。元々は他の場所に住んでいたものの、この活動に参加したことで近隣に引っ越してきた人もいるほどだ。

本同様、食も年齢性別職業などを越えて人を結び付けてくれる存在。最近はこども食堂が目立っているが、それ以外に注目したいのが、街の人同士が集まって作って食べるまち食。その発祥となったのが「阿佐谷おたがいさま食堂」。フェイスブックページでは最近、それ以外のあちこちの街で開かれているまち食イベントが紹介されていたりもするので、地元のイベントを探して参加してみる、ちょっと遠征して参加してみると地域に関心のある知り合いが増えるはずだ。

おたがいさま食堂

それぞれ好きなように作業をしているのに、最終的にちゃんと料理ができあがるという不思議。みんなで作る、食べる楽しさが満喫できる(クリックで拡大)

また、地元にこども食堂があれば参加してみるという手も。ボランティアとしての参加はもちろん、子どもだけではなく、親も含めて子育て世帯が孤立しないこともテーマとされているので、この土地は初めてでという人なら利用者としても受け入れてもらえるはず。「こども食堂ネットワーク」のホームページを見れば参加者募集、ボランティア募集、活動を始めたい人それぞれに必要な情報が入手できる。

街を知る、楽しむイベントに参加してみる

街によってはその街に住んでいる、勤めている人を対象にした講座が開かれていることがある。たとえば、武蔵小杉の「こすぎの大学」では毎月1回、大人から子どもまでを対象にした地元の人を先生にした学びの場が設けられており、「楽しく学んでつながる」が目的。武蔵小杉では朝の交流会「こすぎ朝学」なども行われており、どこかに参加してみると人間関係がどんどん広がるはずだ。

こすぎの大学

こすぎの大学。毎月一度、様々な分野の先生が登場している(クリックで拡大)

街を楽しむイベントに関わってみたいという人もいるだろう。そんな人はまず、地名を冠した団体を検索、情報を広く集めてみよう。インターネット上はもちろん、自治体の広報誌、街頭の掲示板その他媒体はいろいろあり、団体によって使っているものは異なる。

ねぶくろシネマ

野外なら子どもが泣いたり、走り回っても気にならず、ファミリーにはリラックスできる(クリックで拡大)

面白いところでは地元のコワーキングスペース、シェアオフィスが発信元になるイベント。都心以外のシェアオフィスでは地元に住む人が利用者になることから、そこでの連携が地域でのイベントやフェスなどに繋がることもあるのだ。たとえば、東京都調布市にあるシェアオフィスco-ba chofuでは「調布を面白がる会」と題して、調布に関心のある人が集まり、各会のテーマに沿って妄想を繰り広げるイベントが開催されてきた。その中から野外での映画上映会「ねぶくろシネマ」が誕生。2015年12月に多摩川の川原で開かれたのを皮切りにあちこちで開かれるようになっている。参加するのも楽しいイベントだが、手伝いに回るのも良い経験だろう。

もうひとつ、情報源として参考にしたいのは地元のNPO。自治体によってはNPO活動を支援する団体を作って情報をまとめて発信していることがあり、たとえば足立区のNPO活動支援センターは様々な活動を紹介するメルマガを発信しており、どんな活動があるかが分かりやすい。特に子育て世代には興味のある活動も多いので、ひとりで煮詰まったと思ったら外に出て、同じ年代の人達と活動してみてはどうだろう。

情報源ということではないが、人間関係を作るなら飲食店も古典的ながら侮れない存在。ただし、チェーン店では客同士が仲良くなったり、店主がつないでくれることはほぼないので、個人が経営する小さな店が狙い目。といっても、個店の中には入った時に「誰、あれ?」みたいな目を向ける、常連のみに優しい店もあるのでその辺の見極めは大事だ。

あせらず、少しずつ仲良くなるようにするのがポイント

ところで、こうした活動に参加する、人間関係を構築しようとする時には少しずつ仲良くなるようにするのがポイント。時々、これまでの不満を取り戻すかのように熱烈な勢いで活動に参加する人がいるが、地域での人間関係、活動は細く、長く続くのが理想。熱中し過ぎて周囲からの反感を買わないよう、様子を見ながら参加してみよう。

逆に活動内容、メンバーなどとうまく行かない、あまり合わないなと思ったら、早々に引くことも大事。昔のように体育会系の、一度入ったら抜けにくいような活動は少なくなったが、時として噂は聞く。良い人間関係を作りたいのに、その逆になってしまったら苦痛。そんなことにならないよう、様子を見ながら街を楽しめるようになっていきたいものである。





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