賃貸の部屋探し、ダメダメ不動産会社の見分け方

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入居後の住み心地は不動産会社に左右される

部屋探しという言葉の通り、住み替えようと思った時に最初に見るのは物件情報。どんな部屋が良いか、条件を考えながら見て行くはずだが、その時、同時に考えて欲しいのが不動産会社だ。どこの、どんな不動産会社が扱っているか、そして、その不動産会社で借りるとどういうことになるか。多くの人はあまり気にしていないが、実は大きな違いがあるのである。

その違いとは住んだ後の問題である。設備の故障や周囲とのトラブルがあった時にどう対処してもらえるかは、借りる不動産会社によって差が出てくるのである。

管理ができていない物件

管理がいい加減な物件に住むと敷地内が散らかっていたり、ゴミの放置があったり、音問題に悩まされてりと様々なトラブルが想定される(クリックで拡大)

では、なぜ、こうした違いが出てくるのか。それを理解するためには賃貸の仲介を行っている会社の種類と特徴を知っておく必要がある。

たとえば、全国あるいは広い地域に展開している大手と地元密着型の中小零細の不動産会社という分類もあれば、単身者向け間取り中心とファミリー向け中心、特定のハウスメーカーの物件中心もあれば、一戸建て中心など、扱っている物件による分類もある。

そこにもうひとつ、覚えておきたいのが建物の管理その他も含めた業務をしているのか、それとも仲介だけをしているのかという違いである。一般的に前者を元付あるいは物元といい、後者を客付けという。

一般の人は普通、部屋を借りる時にだけ不動産会社と関わる。だから、その部分の作業だけが不動産会社の仕事と思いがちだが、実際にはもっといろいろな作業が行われている。順に言うと、建物を企画し、建設、賃料を決めて写真を撮影、物件情報をポータルサイトに掲載、入居者を決め、その人が退去したら清掃、新たな入居者を募集するという流れになっており、建物がある限り、何度も何度も入居者の募集・決定・退去が繰り返される。

こうした流れの中で入居者を決めるところだけを行っているのが客付と言われる、仲介専門の不動産会社である。このタイプの不動産会社が登場したのは1990年。不動産に詳しい人なら聞いたことがあるかもしれない。レインズ(Real Estate Information Network System 不動産流通標準情報システム)という不動産情報を不動産業者間で共有するシステムの登場以来である。これにより、レインズに登録されている物件であれば誰でも客に紹介することができるようになった。ひとつの物件に複数の不動産会社が関われるようになったのだ。

この目的は不動産情報の透明化。これ以前は大家さんと結びついている会社(今の言い方で言えば元付)だけが情報を握っており、消費者からも、大家さんからも情報詳細はブラックボックスの中という状態だった。それを改善しようと作られたのがレインズという仕組みだ。物件に全く関わっていない不動産会社でも入居者を見つけさえすれば仕事になる仕組みという言い方もできるだろう。

入居後のトラブルを考えると安心なのは元付

この違いが分かると、住んだ後に違いが出るという意味が分かる。仲介だけをしている会社はそもそも管理を行っていないから、入居後のトラブルに関しては無縁。仲介だけをしている会社の場合、契約時にトラブルがあった時の連絡先を渡されるので、何かあったら、管理をしている会社に連絡をすることになる。もちろん、その会社がちゃんとやってくれる会社であれば問題はない。

ただ、修理すれば済むトラブルなら良いのだが、音やゴミ出しなど人間が絡む場合には、面倒なことになる場合がある。仲介だけをしている会社は契約を決めてしまえば仕事はおしまい。どんな人に貸そうが、仲介手数料さえ払ってもらえればよいので、審査はあまり厳しくはしない。そのため、集合住宅での暮らしに向かない人が入居、周囲に迷惑を掛けることがあり得る。

特に騒音トラブルのように人によって感じ方が異なり、解決が難しい問題の場合、常識のある人が仕方なく退去せざるを得なくなるケースが少なくない。また、物件についてあまり知らない会社が仲介した場合には、すでに音問題でトラブルを起こしている人がいることを知らずに、静かな生活を望む人を入居させてしまうこともある。入居後に静かで快適な生活を望むのであれば、多少審査は厳しくても、借りる住宅について熟知している不動産会社から借りたほうが安心というわけだ。

仲介手数料はサービスとの見合いで考える

もうひとつ、不動産会社を考える時に仲介手数料の有無、額も気になるところ。安ければ安いほど良いと考える人もいるし、きちんとしたサービスが受けられるなら払うと思う人もいるだろうが、問題は手数料とサービスのバランスが見えにくいこと。一般の商品であればそんなことはない。ファストファッションの店とセレクトショップは店構えからして明らかに違っており、手頃な商品を買いたい人がセレクトショップに入ることはないし、まして間違えてそこで買ってしまうこともない。だが、不動産会社の場合には手数料はあらかじめ分かるので、安さで選ぶ場合には分かるものの、そこできちんとしたサービスが受けられるかどうかは行ってみなければ分からない。

だが、家賃1カ月分という少なからぬ額を払うのである。それなりのサービスが受けられない会社に払うのは嫌な気分になるはず。そんな羽目に陥らないためには訪問前に不動産会社のホームページをチェック。仲介だけの会社か、管理もやっている会社かを見よう。一般には管理をやっている会社のほうが物件情報に詳しく、地元で長くやっている会社ほど地元情報には詳しい。

最近は会社ホームページ内でスタッフがブログをやっている会社が増えているが、この辺りも見ておきたいところ。意外に会社の仕事への取組みなどが分かることがあるのだ。

ダメダメ不動産会社の見分け方

不動産会社では店内の様子もポイント。不動産会社を訪れたら、最初に注目したいのは店頭の状況。看板や窓ガラスが薄汚れているような、だらしない雰囲気の店は避けたほうが賢明。不動産仲介はサービス業であり、接客業。その意識がない会社では払う費用に納得いくようなきちんとしたサービスは期待できない。

申込、契約などで個人情報を扱う業種であることを考えると、整理整頓ができていない会社も避けたほうが無難。こうした会社では言った、言わないといった初歩的なトラブルや、聞いていませんでした的な言い逃れの恐れがある。加えて社内の電話のやりとりもチェックしたいところ。客に対しては丁寧でも、不動産会社間のやりとりになるとぞんざいになる会社はそれが本性だ。

また、不動産会社訪問前に問合せを入れた物件が来店時には決まってしまっている、他に良い物件があると言われた場合には、少し怪しいと思っても良い。もちろん、問合せから来店までに1週間などと時間が空いた場合には決まっていることもあり得るが、1~3月の賃貸繁忙期以外の、1~2日後の訪問だとしたら、とにかく来店させようという意図を疑っても良い。多くの、あまり誠実ではない不動産会社は来店さえさせてしまえばなんとでもなると思っていることも多いのだ。

希望条件に合わせて物件を紹介されたとしよう。複数の物件のうち、いずれか1物件を強く勧められたら、その理由を聞いてみることも不動産会社の姿勢を知るポイントになる。昨今の物件余りの中、借りてもらいにくい物件には大家さんが契約時の報酬を上乗せしていることがある。その物件を仲介したほうが契約時に不動産会社に入る額が大きくなるわけで、とすると、探している人の希望に合おうが合うまいがそれを勧める会社も出てくる。もちろん、本当にお勧めだと思っているなら、他との違いを説明してもらえるはずだし、それができないなら、自分の都合から勧めていると判断できるはずだ。

電話

最近は自動返信で素早い返信が行えるようになっているため、メールではスピードより内容をチェック、ネットでは分からない情報を提供してくれる会社を選ぼう(クリックで拡大)

こうした分かりやすいポイント以外にも、こちらが出す要望の真意をくみ取った物件を紹介してくれる、インターネットでは分からない情報を提供してくれる、レスポンスが早いなどといった、専門家としてのアドバイスがあるなら、気持ちよく部屋探しができるはずだし、サービスの対価としての仲介手数料も理解できるはず。最終的には満足度の高い部屋探しにもなるだろう。逆に、そうではない、ろくな情報提供もできない会社にお金を払わなくてはいけないとなると不満に思うはずだし、それがひいては部屋への不満にも繋がる。自分が予算優先なのか、サービスや安心優先なのかを明確にし、それにふさわしい不動産会社を選ぶようにしたい。

最近では仲介手数料は無料、その代わりに会員制をとる会社も登場している。そのサービスでは月々の会費と下見に同行してもらうための費用は必要だが、入会後2週間は会費無料となっており、その期間中に1回の下見で部屋が決まれば1000円足らずの支払いで済む。その代わり、下見に同行してくれる人は単に鍵を開けてくれるだけ。必要な情報は自分で収集することが原則となっている。安さ優先、サービス不要と割り切ればこの手はありだ。

安さも、サービスもどっちも欲しいと言う人もいるかもしれないが、残念ながらそれは現実的ではない。安い飲食店で丁重なサービスや漆塗りの食器が期待できないのと同じように、安いには安いなりの、費用がかかるにはかかるなりの理由がある。大事なのはそのバランスが取れていること。ろくなサービスが提供されないのに費用だけがかかる、そういう不動産会社を選ばないようにしたいものだ。そこで大事なのは、不動産会社を見る目。

一般に部屋探しはモノを探すものと考えられているが、実際には信頼できる不動産会社に出会えさえすれば、モノはなんとでもなる。言ってみれば人を見る目が部屋探しの成否を決めるわけで、間取り図だけではなく、目の前にいる不動産会社担当者の人物観察をしっかりすることで満足いく部屋を選んでいただきたい。

もちろん、ダメだと思ったら、何と言われようとお断りする、そういう姿勢も大事だ。





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